鼻の病気の代表である鼻炎は、鼻粘膜の炎症を指します。具体的な症状としては鼻づまり、鼻水、くしゃみなどですが、これらの症状がひどくなると、集中力が低下したり、食べ物のにおいや味もわからなくなってしまいます。
鼻炎には同じ症状であっても「感染性」「アレルギー性」やこれらに含まれないものがあります。それぞれ対処法が違いますから、自己診断によってドラッグストアで間違った鼻炎薬などを使うとかえって悪化させてしまうこともあるので注意が必要です。
感染症の鼻炎の特徴とは
感染症の鼻炎で最もポピュラーなのが、いわゆる鼻かぜといわれる急性鼻炎、慢性鼻炎です。その主な原因としては風邪のウイルスに感染したり、抵抗力がなくなっているところに、最近に感染しておこることもあります。
症状としては鼻づまり、青い鼻汁、頭痛などが強くなります。
アレルギー性鼻炎の特徴とは
アレルギー性鼻炎は、花粉症に代表されるような季節性アレルギー性鼻炎と一年中症状が続く通年性アレルギー性鼻炎に分けられます。これらは、外因性のアレルギー原因物質が引き起こします。この原因物質で多いのがハウスダストやダニ。そして、最近急増している花粉です。症状としてはにおいがよくわからなくなる嗅覚異常を訴える人が多い傾向にあります。
「感染性」や「アレルギー性」とは違う鼻炎とは
症状は似ているものの、感染性やアレルギー性とは違う鼻炎もあります。検査でアレルゲンが証明されないものです。たとえば、ラーメンなどの熱いものを食べた時に出る鼻水、冷たい空気を吸った時に出るくしゃみなども鼻炎の一種です。
さらに、降圧剤や気管支拡張剤、抗うつ剤、避妊用ピルなどの薬剤で鼻炎が起こることも度々あります。その中で最も多いのが鼻づまりを改善するための血管収縮薬、つまり点鼻薬の乱用によるものです。
鼻づまりを改善するための薬が逆に鼻炎を悪化させてしまうので、使用する前に必ず説明書を読むようにしましょう。
またホルモンに異状による鼻炎もあります。よくあるのが妊娠・出産、あるいは更年期障害で「味が分からなくなった」という症状です。舌の味覚はなくなっていないのですが、においが分からなくなってしまったことで味が分からなく感じるものです。
このほかには、鼻中隔湾曲症や臭覚障害、鼻腔や副鼻腔にできる癌もあります。鼻の癌は鼻腔や副鼻腔にできるもので、副鼻腔にできる癌のほとんどが上顎洞(じょうがくどう)に発生する癌になります。
長引く鼻の違和感や症状は、単なる「花粉症」や「鼻炎」と安易に考えずに、一度耳鼻咽喉科でしっかりと検査してもらいましょう。
参考写真:足成 http://www.ashinari.com/