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もはや故郷?介護食はもうひとつの家庭の味

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介護食

エネルギー溢れる高齢者の食欲に驚くのは、皆さん肉をよく食べます。多い人は、一週間に3、4回も食べているそうです。でも、そのように元気のある人の食生活には馴染まない人も大勢います。介護食を摂る人たちです。施設にいる人もそうですし、家庭で定期的に介護食を摂る人もいます。

誰もが爆発的なエネルギーを必要とするわけではありません。日常の生活をしていく上で、困らない程度のカロリーと、栄養素がしっかりと吸収できれば、それはそれで肉を食べなくても、別の次元で、介護食の存在価値があります。

さらに、お惣菜をはじめ、用意されたメニューに家庭の味があれば言うことありません。
そんな時代がもうすでに来ています。介護食を食べる高齢者の皆さんは当然ですが、ご家族の方も一度食べてみてはどうでしょうか。

介護食は口から摂ることで、身体の機能を守ります。

見て食べる。嗅いで食べる。味わって食べる。高齢者の皆さんもこれまでの経験を基にして、視覚、臭覚、味覚の感覚を使って、食事を口にします。介護食も、そういうセンスで作られています。そして何よりも、目の前に出された介護食を感覚で捉え、それを口に入れ、ほおばり、咀嚼することが大事なのです。

そうすることで、唾液も出やすくなりますし、噛むことで脳の活性化も図られ、消化器系の機能がフルに働きますので、もちろん胃腸の状態もよくなります。さらに、それらが毎食ごとであれば、食べる楽しみにも繋がってきます。生きる力に直結している食事!介護食は、食を通して身体全体の機能改善にも役立っています。

気配りされた介護食。

高齢になりますと、若い時代とかと違って、日常の代謝そのものも落ちてきますし、全体的に身体の機能も衰えてきます、それから、加齢による循環器系や消化器系、脳血管系にも障害が目立ち始め、身体のすべての機能が落ち込んできます。食べることについても同じようなことが言えます。歯の本数がかけたり、咀嚼力や飲み込む力も弱まったりしてきます。ですが、そこを解決するために登場するのが介護食です。

介護食は、高齢者によく見られる問題点を洗い出し、それらのひとつ一つの対策を考えています。例えば、高齢者に多い好き嫌いによる偏食に対しては、一食一食の主菜、副菜の料理の中で、炭水化物、タンパク質、脂質、ビタミンやミネラル、食物繊維がバランスよく摂れるように気配りされています。

工夫された介護食。

高齢者の方々も十人十色。病気でない方もいれば、病気を持っている方もいます。ですが、ことの大小はありますが、皆さん、それぞれが多かれ少なかれ、持病をお持ちになっています。となれば、当然、身体の状況にあわせた食事が必要になります。そこに登場するのが工夫された介護食です。

例えば、糖尿病の人でしたら、糖質の摂取、過剰なエネルギーの摂取は控えなければなりません。それ故、介護食は、食物繊維の多く含んだ素材、栄養素のバランスを考えた献立、過食にならないように量を少なめにしながらも、満足感が得られるように工夫がされています。

高血圧などの循環器系、脳血管系に問題のある方は、塩分を制限されます。しかしながら、塩分がないと味気ないという方も多いのです。そういう中で、それらの問題を解決するのが介護食です。
出来合いの食物には塩蔵品が多いので、介護食は、極力そのようなものは使わずに、素材そのものを自然な状態のまま使うように工夫しています。それに、肝心の味付けは、酸味や香味、辛味などを用いることで、塩分を基準値の6グラム以下になるよう、こちらも工夫しています。

次は、腎臓病をわずらっている人向けに、介護食は過剰なタンパク質、塩分を極力コントロールしていますし、カリウムは食塩の排泄に関係しているので、こういった面でも工夫が施されています。
栄養素も大きな問題になります。食欲の減退は、勢い、食事量が減りますので、必要とされる栄養素が摂れなくなります。そうなると、食べる機能だけでなく運動量も減ってきます。日常の行動にも影響を及ぼし始めます。最悪の場合は、転んだりして寝たきりになりかねません。

介護食は、そうならないように、たんぱく質やカルシウムなど、最低限必要とされる栄養素が摂れるように工夫されています。

咀嚼力、飲み込む力が衰えて気管から肺に食べ物や飲み物が行ってしまう、誤嚥性肺炎の危険もあります。介護食は、そうならないように、噛む力、飲み込む力に合わせて、食べやすく加工し、飲みこみやすくするために、やわらかく仕上がるように工夫されています。

介護食は生活の質(QOL)を上げます。

いかがでしたでしょうか。介護食は、高齢者が老後を不自由なく過ごせるように、様々な気配りや、工夫が凝らされています。食の楽しみが生活の楽しみに、そして、そこでの語らいや、周囲の雰囲気に溶け込み、例え、小さなことでもいいから社会参加ができれば、毎日の生活にハリを感じ、それこそ生活の質が上がるのではないでしょうか。
介護食は、もうひとつの家庭の味なのです。

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