その名の通り、老人が老人を介護することを言います。
介護が必要な65歳以上の高齢者がいる世帯のうち、介護する人も65歳以上である「老老介護」の世帯の割合が51.2%に達し、初めて5割を超えたことが分かりました。
この結果から急速な高齢化の進展が改めて浮き彫りになりました。
介護が必要になった原因のトップは脳卒中で、認知症、高齢による衰弱が続いています。
最も多いのは、妻が夫を介護するパターン
若者目線で考えた場合、まず想像するのは自分の親、そして祖父母の介護ではないでしょうか。
ですが、老老介護の場合は半数を占めるのは、妻が夫を介護するケース、次いで夫が妻を介護するケースです。
老老介護では、子どもが親を介護するパターンはそう多くありません。
また介護者自身は75~79歳が最も多く、その次が80~84歳。後期高齢者が後期高齢者を介護するケースがかなり多いようです。
そのうち25%の介護者が自身も要介護認定を受けています。
半数以上の要介護者が自宅で家族に介護されることを望み、介護者もそう考えているケースが多いようです。
ですが、中には周りの圧力や嫁だから、と介護を押し付けられたと言う方もいます。
また、多くの方は家族を思いやる気持ちが強くなった、より信頼関係が強くなったと感じています
それと同時に9割の方が暴力や暴言をふるそうになった事があるとかなりストレスを感じているようです。
自分には出来ると思いこんでスタートする人が殆どであると思います。
介護は想像以上につらいと言葉では理解できていても、自分は大丈夫だと思っている方が大半だと思います。
老老介護の未来は?
団塊の世代の多くが高齢者となる今後、ますますこの老老介護家庭は増えていくと予想されます。
良く言えば家族らしいあり方、悪く言えば閉鎖的とも言えるのがこの介護スタイルです。そして自分達でできる限界までと、ぎりぎりまで頑張ってしまうのが高齢者世代の考え方です。
家族間の事情に他人を立ち入らせたくない、という方も多いようです。
こうやって高齢者のみの家庭が孤立してしまえば、孤独死や介護疲れによる共倒れを招きかねないのです。
外部に相談するのは恥ずかしいことでもありませんし、介護サービスをお願いするのは手抜きではありません。
そうやって介護者自身が心身ともに休息する事が、介護を受ける家族にとってもプラスにつながります。
介護の問題は当事者だけで抱え込まないことが大切になります。
特に双方とも高齢の老老介護の場合は、周囲が積極的にバックアップしていく必要があります。