(イラスト:いらすとや)
顎関節症という名前はよく耳にしますね。
でもこの顎関節症、知っているようで知らないのがこの顎関節症なのです。
これからわかりやすくお話していきましょう。
まず顎関節症とはどういうものかというと、あごの関節(顎関節)の周りになんらかの
異常があり、顎が痛む・顎が鳴る・口が空けることが困難な状態になるなどが主な症状です。
これは慢性的な疾患になります。
原因はいろいろで、状態もそれぞれ異なります。
それでこれらをまとめて、「顎関節症」と言われています。
<小見出し:状態は軽いものから重いものまで様々です>
硬いものを食べたら顎が痛くなったけれど、しばらくたったら治ったという経験はないでしょうか?
この程度の軽い症状を含めると、日本人の2人に1人は顎に何らかの顎に異常があるのではないかと言われています。
このように顎関節症といっても、軽く自然に治るものもあり、必ず悪化するというものでもありません。
患部を休ませる(安静にする)、問題のある生活習慣を改善していく、稀に薬を服用するなどの治療で、全体の約80%は良くなっているようです。
ただし、重症化すると手術が必要になってきたり、症状もめまいや痛みなどしかもこの痛みが全身に及んだりします。
また、口が開けにくいという障害のために、食事をするのが困難になったり、精神的にも影響が出てきたりと、日常生活に何らかの支障が出てきたりするほどの重症化となり、苦しむ人も多いのが現実です。
<若い女性に多い!?>
顎関節症の患者さんは、ここ数十年で15倍にも増加したとされています。
しかも年齢層が幅広く、子供からお年寄りまで様々です。
だいたい年齢的に10代から始まって20歳か30歳代がそのピークを迎えます。
女性は男性の2倍から3倍の来院があるそうです。
どうして女性の方が男性より多いのかは詳しくはわかっていませんが、予想としては
女性の方が筋肉の緊張やストレスに対して、感受性高く痛みに対して敏感で、しかも健康に対する関心が強い・男性より骨格やじん帯が弱い・女性ホルモンに関係があるなど、いろいろな説が出てきています。
また年齢的に見ていくと、10歳代半ばごろから顎関節症が増加するのは、歯や骨格が成長して、大人になる時期であること。
また、精神的にも思春期であり、社会的な生活が複雑になることもあります。
30歳代以降の場合は、病院に来る人が減少してきます。
これは顎関節の変形はあっても、それに慣れてきてうまく付き合っていけるようになったからと考えられます。
ただし、ここ近年患者数が増加していることを考えると、最近の若年層の食生活や生活習慣に関係があると思われます。