(イラスト:いらすとや)
アレルギー性結膜炎とは、何らかのアレルゲンや抗原に対する、異常に亢進した生体防御反応つまりアレルギーによって結膜に炎症が起きる現象です。
特にアトピー体質の人は起こりやすくなります。
春季カタルは、アレルギー性結膜炎が重症化したもので、青少年に多く見られます。
<アレルギー性結膜炎と春季カタルの原因とは何?>
このようなアレルギー反応を起こさせる原因としては、花粉・ダニ・ハウスダスト・動物の毛・コンタクトレンズなどと、たくさんあります。
特に花粉症はみなさん、お馴染みですね。
花粉は、2月から4月が杉の花粉、5月はヒノキの花粉、5月から6月はカモガヤ、8月から10月はブタクサとなっています。
<症状はどのように表れてくるの?>
アレルギー性結膜炎では、かゆみが主で強く出ます。
その他には結膜充血、浮腫、異物感、目やになどがあります。
また、角膜に軽いのですが傷ができることがあります。
角膜病変があれば、視力の低下が起こってきます。
これがコンタクトレンズ関係のアレルギーであれば、レンズにくもりが起こります。
眼意外にくしゃみや鼻水を伴うこともあり、その症状は花粉症のように季節にだけ起こることがあります。
春季カタルでは、上眼けん結膜といって、上まぶたの裏側にブツブツができて、重症化するとそのブツブツが大きくなります。これを巨大乳頭といいます。
角膜近くの眼の結膜が赤くなり、腫れてしまいます。
重症例では、角膜に傷がついて混濁します。
この巨大乳頭は、コンタクトレンズでも起こりうる話です。
(イラスト:いらすとや)
<では検査と診断はどうなの?>
まずは、強い痒みを伴う結膜充血、浮腫、眼脂などから診断を始めていきます。
もちろん、アトピー体質・季節性があることも参考となってきます。
サンプルをとるのですが、摂り方としてこすり取ります。
これを結膜擦過というのですが、このサンプルからは、アレルギーに特有の白血球が証明されます。
この白血球は「好酸球」といわれています。
細菌では涙液中のIgE量が簡単に検査することができるようになりました。
ただ、抗原の特定はできません。
抗原の検索には、皮膚の少しの疑わしい抗原を塗布して、反応をみるパッチテストまたは血液検査で、RAST法・MAST法などがあります。
<治療方法はどんなの?>
治療方法としては、抗原が定まればそれを避けるようにします。
花粉症では、アレルゲンである花粉が飛び散る時期の約2週間以上前から抗アレルギー薬の目薬を中心にした治療を行います。
これが春季カタルやアトピーなどの重傷の場合は、ステロイド薬の結膜下注射や内服薬による全身投与を行うこともあります。
ただし、ステロイド薬は長期間使用すると緑内障を引き起こす副作用があります。
ですから症状が軽減したら、非ステロイド性の抗アレルギー薬や消炎薬に変えていきます。
または、人工涙液を点眼し、アレルゲンを洗い流すこともあります。
春季カタルでは、上眼けん結膜にできた巨大乳頭は、手術によって切除することができます。
また、コンタクトレンズ関係のアレルギーの場合は、一時コンタクトレンズの使用を中止します。
そして治療を行い、治ってからまたコンタクトレンズを装着するということになります。
レンズの種類は、ハードのコンタクトレンズか使い捨てのコンタクトレンズを使った方がいいでしょう。