介護用品の中でも杖はとても利用頻度の高い道具です。手軽に利用できるだけでなく、室内でも外出の時にでも利用できる便利さがあります。歩行の補助だけでなく、転倒予防の意味も持っており、少し歩行に不安を感じた人が利用をしていく上でピッタリな道具ともなります。
しかし、杖というのはその人の体の状態に合わせたものを利用していくことがとても大切です。杖が短過ぎると、腰の曲がりにつながり背骨を痛めてしまう傾向があります。逆に長過ぎると、腕への負担が大きくなり、長時間利用していく上で利用しづらく不便となってしまいます。
最近では杖を用意していく時に、専門家が長さ調節等を適切にしてくれることもありますが、利用者が自分の判断で購入していく際には、調節は自分で行なわなければいけないことも多いです。
杖を選んでいく時の、目安としては、杖をつく位置と、腕の曲がり具合を見ていきます。まず杖というのは、つき方を意識していきます。杖をつく時は、足の小指の前方15センチほどの位置に杖をついていきます。ここから近過ぎても、離れ過ぎても良くないとされています。この位置に杖をついた時に、肘が30度ほど屈曲する程度の長さにしておきます。杖の長さが長過ぎると、腕は大きく曲がってしまいます。逆に短過ぎると、肘はほとんどまがらず、まっすぐのような状態になってしまいます。
30度くらいを目安にしてしっかりと利用する人の状態にあった杖を選んでいくことがとても重要であり、健康状態を維持していく上で大切となります。
- 杖はあくまでも補助であることを忘れないように
時々杖に体重をかけるようにして利用している人がいますが、杖は歩行を補助する道具です。体重をかけるようなことをしてしまうと、逆に転倒のリスクが増えてきてしまいます。体重を杖にかけるように歩くと、自然と杖のつく位置は体から離れてしまいます。そうすると、少しでも杖が揺らいだ際に、そのまま前に転倒をしてしまうことになります。同時に腰を大きく曲げていくことになるので、背骨の変形につながってしまいます。
杖はとても便利で使いやすいですが、その分癖がついてしまいがちです。常に正しい利用を心掛けておき、利用者の身体状況を悪化させてしまわないように注意が必要です。最近では手軽に長さ調節できる杖も増えてきているので、調節しやすさを目安に杖を選んでいくという方法もあります。一概に杖と言っても多種多様なのでよく検討することが必要です。
引用
http://nursing-care.org/01-wheelchair/004-wheelchair.html