新入学や新生活がやっと慣れてきた五月。学校や会社に行かなきゃいけないのに、「朝起きられない」「行こうと思うと気分が重い」なんて感じてはいませんか?
なんとなく不調を感じていながら、ほったらかしにして無理していると、胃痛がしてきて食欲不振や過食になったり、下痢が続いて電車も乗れなくなったりなどの神経症状を感じるようになり、ひどくなると登校拒否やうつ病になることもあります。
「うつ病かも?」と思ったら。
一年を通じて特に春先の3~4月は気温の寒暖差が激しく、体の中で体温を維持する自律神経が忙しく働いており、何もしなくても体はとても疲れた状態になっています。そのうえ、慣れない研修やはじめての仕事などで人間関係や不規則な時間による新生活の緊張やストレスが加わり、引っ越しや歓送迎会などで暴飲暴食をする機会も増えるため、身体をいつもより酷使しがちになります。
こんな時、「自分が弱いからだ」とか「もっと頑張らなくちゃ」と、自分を責めたり無理に奮い立たせたりして、さらに身体を酷使しては絶対いけません。
血の不足がうつを招く?
漢方では、心の状態と血液は密接な関係があり、精神的にトラブルを抱える状態を「血虚」といい、「体の中の血液が足りなくなること」で身体の中の血の巡りのバランスが崩れることにより不安感や落ち込みを感じやすくなると考えられています。
精神的な不安感や落ち込みは、ほとんどの場合、血液が不足して起きた結果で、自分を責めることではありません。
症状が気になる方は、まずは休養。夜はその日のうちに寝て、休日は予定を入れずしっかり身体を休めることが大事です。特に寝る3時間前のパソコンやスマホなどの作業はとても「血を消耗する」と言われているため、極力減らしましょう。
そして、食事も胃腸を休ませるためにお粥やスープ、ヨーグルトなどの消化の良いものを食べ、胃腸が元気になってきたら、肉類や青菜類、ひじきなどの海藻をしっかり食べて、パワーと鉄分を補給します。なつめやレーズン、クコの実などのドライフルーツを常備しておいて、シリアルと一緒に食べたり、おやつとしてそのままつまんだりするのもお勧めです。
それでも改善しない時は、症状に合わせた漢方薬を病院や専門薬局で処方してもらうと改善しやすくなります。「うつは心の風邪」と言われるくらい、誰にでもちょっとしたことで起こり得ること。風邪をひいた時のように、早め早めの対処でこじらせないようにしましょう。