高齢者サービスは多種多様で大きく分けると二つに分類されます。
一つは「フォーマルサービス」、もう一つは「インフォーマルサービス」です。
フォーマルサービスとは、公的なサービスのことで、例を挙げると介護保険で利用できる居宅系サービスの訪問介護や通所介護、施設系サービスの介護老人福祉施設などになります。
インフォーマルサービスとは、公的なサービス以外のもので、家族から近隣、自治会、老人会、民生委員、NPO法人まで幅広く含まれます。
一般的に多く利用されているサービスは、フォーマルサービスの方で介護が必要になれば医療保険や介護保険を活用する道筋ができています。もう一方のインフォーマルサービスは、身近にある様々なものがサービスとして利用可能な状態にも関わらず実際には、意識して利用することは少なく、いつの間にか利用しているというのが現状です。
ここまでの説明であればフォーマルサービスの方が便利でインフォーマルサービスは不便という印象ですが、どちらにもメリットとデメリットがあります。
フォーマルサービスのメリットは、計画的、継続的に利用でき、医療・介護サービスの専門性に特化したサービスを受けることができます。デメリットとしては、草取り、話し相手など公的な制度の中では補いきれない場合が多く、また、利用するにあたって契約が必要となるため書類の手続きが必要です。
インフォーマルサービスのメリットは、公的な制度と違いサービス内容に制限が無いため多様なサービスを受けることができます。デメリットは、安定したサービスを継続的に確保することが難しく、サービスの専門性が低いまたは、偏りがみられます。
重要視されるインフォーマルサービス!
国は、団塊の世代が75歳以上となる2025年を目途に地域包括ケアシステムの構築を目指しています。地域包括ケアシステムとは、高齢者が住み慣れた地域で自分らしい生活を最後まで続けられるように様々な支援が提供されるシステムのことであり、これを構築するための重要なポイントの中にインフォーマルサービスが考えられています。しかし、新たな社会資源として期待されているものの実際は課題が多く、行政によって格差がありボランティア団体、自治会や老人クラブなどのインフォーマルサービスが地域によっては少ないのが現状です。当面は、地域のインフォーマルサービスの把握を行い、必要に応じて育成していくことが重要となります。
将来的には、高齢者の生活課題などをフォーマル、インフォーマルサービスを併用することで解決できるような支援が期待されます。
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