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介護食を美味しくするには…?

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介護食

皆さんは〝介護食〟と聞いて、まず何を思い浮かべますか?例えば、食材を粉々にすることが出来るミキサーなどで食材の形を無くすことによって咽ることを減らすことができる「ミキサー食」とか「キザミ食」などを思い浮かべる人もいるでしょう。

一般的にこれらの介護食は、確かに今までの介護の世界で主流になってきたものです。しかし、何か大切な事を忘れていませんか?

介護食を美味しくするために…

・心の準備と体への配慮

皆さんは、食事を食べる時にまず、何から取り掛かりますか?食べたい、或いは作りたい料理のメニューを考えて、食材を用意しますよね。その前に、手を洗ったりエプロンを着けたりして、日常生活の中でも一区切りケジメをつけるような動作があるかもしれません。これ、普段何気なくやっていることですが、実は美味しく食事を食べるためにはとても大切なプロセスです。

わたしたちは色々なことを始める時、これから行うことを思い浮かべたりして心の準備を行っています。いつもなら、これを無意識のうちに行っているでしょう。しかし、この心の準備を行うか否かで、介護食を美味しく食べられるかどうかが決まるといっても過言ではありません。

というのは、介護食が必要な方は、何かしらの理由で一般的な食事を食べることが出来ません。その理由を探ると、多くの場合、食事自体に原因があるというよりも食べる人間が失ってしまった機能により食べられなくなっているものです。

例えば、顎の筋肉などが衰えてしまい歯(入れ歯)で食材を噛み砕くことが出来ないとか、飲みこみ時に気管をふさぐフタのようなものが正常にはたらかないとか、或いは飲みこみやすくするための〝食塊(しょっかい)〟(噛み砕いた食材をある程度の大きさにまとめること)を形成することが出来ない…などです。

これらの働きは、食事を食べる前の口の中の準備によってかなり改善されることが知られています。例えば、これから食事になるという時には口の中にいつも以上に唾液が分泌され、潤い、食塊を作りやすくなっています。また、誰かと話をしながら楽しく食事を作ったり準備したりすることで、自然と口の運動となり、食材を噛み砕くための準備運動となっています。

そして、このように体が準備するためには、まずは心(脳)で「これから食事になるんだ」と思うことが重要なのです。ですからメニューを一緒に考え、準備をし、調理して視覚や臭覚、そして聴覚などを使うことによって、その準備を整えましょう。

さらに、歯科衛生士などの指導を受けてみると、食前の嚥下体操というものも大切なようです。例えば、耳の下を触るとアゴの骨がありますが、ここからアゴの先に向かって、アゴの骨に沿って何度かなで下ろします。こうする事で、唾液が分泌されやすくなるそうです。

介護食と聞くと、食事の作り方や形態に目がいきがちですが、それ以前の大切なことを忘れないようにしましょう。

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