在宅における介護の中で、もっとも大変と言われているのは入浴です。
高齢者は肌が弱く、また介助しやすい環境が整っている訳でもありませんので、怪我もしやすい為に、入浴だけは施設や訪問入浴をお願いすることがあると思います。
在宅介護の入浴
介助する家族が二人程いると、安心して入浴を行うことができますが、実際には、浴室の大きさも家の環境で随分異なってきます。
自宅の浴室は、介護者用には造られていませんので、そこでリフォームを行ったり、福祉グッズを利用したりして入浴を安らぎのひとときとする事が出来ます。
リフォームについて
介護認定を受けていれば、介護度に関係なく一度の改装費用に20万円補助金が出ます。
そこで、脱衣所・浴室の必要な場所に手すりを付けることにより、動作は安定したものになります。
また、脱衣所や浴室用の椅子を置くことで、洋服の着脱や洗体を安定して出来ます。
昔の浴室であれば、ステンレスの膝を折って入る位の大きさの浴槽が主流でしたが、現在では、長細いおしゃれな浴槽が増えています。
そこで、浴槽に入るのには、かなりの段差があります。それを解決するのが、床にすのこを敷くことや、バスボードと言って、浴槽の両端にプラスチックの板を掛けて、座れるような物があります。
一度、バスボードに座り直して、身体を安定させてから、浴槽に浸かる方法があります。
この場合だと、段差の解消は簡単に出来ます。
他には、吸着盤のついた滑り止めのマット(浴槽内に置くもの)や浴槽の縁に簡易的に手すりを付けることが出来るものもあります。
介護グッズは、決して安いものではありませんが、怪我をして、入院し寝たきりになる事を考えれば、そんなに高値と思うこともないでしょう。
リフォームとちょっとした介護グッズ、そして、その家に合った工夫をする事で、入浴が安全で楽しいものとなるでしょう。
施設での入浴
施設においては、大浴場、個浴、チェアーやストレッチャー型の機械浴があります。
車輪のついた車椅子や座位を保持するための椅子も揃っています。
施設ですから、当然の事ですが、ゆっくりと入浴したい方には、若干不向きかもしれません。
もちろん、介護スタッフが対応するので、怪我などの心配はありませんが、他の人と共有するために、多少時間に追われてしまうことがあります。
利用者様の中には、皆と入りたくないと思われている人もいることでしょう。
その為の個浴があるのですが、洗い場は共有ですので、少し我慢が必要かもしれません。
施設での入浴は、それなりの入浴用の介護グッズが用意されていますので、不便を感じることなく、入浴することが出来ます。
しかし、在宅でも先に記載したとおり、福祉グッズを使用すれば、心配せずに安心して入浴することが出来ます。
カラスの行水の方も、のんびり長時間入っていたい人も、施設や在宅での入浴は可能です。
ご家族で相談しながら、工夫して、楽しい入浴時間を堪能しましょう。