肥満といえば、お腹ポッコリなどのみるからに「太っている」体を想像しませんか?
ですが、実はそんな体型の人だけが肥満とは限らないのです。
中年以降になってくると、見た目はそうでもないのに実は肥満という「隠れ肥満」の人が増えてきますので注意が必要です。
今回は、隠れ肥満がどういうものなのかについてみていきたいと思います。
【隠れ肥満とは?】
見た目は一見普通で昔とたいして変わっていないのにもかかわらず、実は肥満。
これは、一体どういうことなのでしょうか?
日本のメタボリックシンドロームの基準は、お腹まわりが男性ならば85cm以上、女性ならば90cm以上とされていますが、これらは「内臓脂肪型」の肥満を表しています。
つまり若い人たちのように、「皮下脂肪」ではなく、「内臓」に脂肪がついてしまっていることが多いということなのです。
皮下脂肪ですと、いざというときの蓄えになったり、体を保温したりなど体にとって良いこともあるのですが、内臓脂肪となると、下手すると生活習慣病の原因ともなってしまう大変危険な脂肪となる可能性があります。
【皮下脂肪型肥満と内臓脂肪型肥満】
皮下脂肪型肥満と内臓脂肪型肥満は、身体のどのあたりに脂肪がついているかによってある程度判断できます。
りんごの形のように体の真ん中である「お腹まわり」に脂肪がつきやすい人、ついている人は中高年の男女によくみられます。
この場合、皮下脂肪だけではなく内臓脂肪もたくさんついていることが多く、高血圧や糖尿病などの生活習慣病にもかかりやすいといわれていますので要注意です。
一方、洋梨の形のように、お尻、下腹、太もも、ふくらはぎなどの下半身に脂肪がつきやすい人は、皮下脂肪型の肥満であることが多いです。
これは男性よりも女性によくみられる太り方です。
【見た目だけではわからないことも】
このようにパッと見である程度どのような肥満か検討はつきますが、健康の視点から見た「肥満」は見た目だけではわかりにくいようです。
体重のうち、体脂肪の重さが占める割合を「体脂肪率」といいますが、体脂肪率の適正範囲は男性で15~20%くらいで、女性では20~25%くらいといわれています。
体脂肪率をよくはかって普段から健康に悪い肥満になっていないか気を付けておくことで、肥満による生活習慣病などのリスクを減らすことができそうです。
近頃は体をスキャンして体脂肪率まで測ることのできる体重計もありますので上手に利用すると良いでしょう。
次回は、ストレスと肥満についてみていきたいと思います。
(Photo by Ashinari http://www.ashinari.com/)