老人ホームと呼ばれている施設には措置施設や介護保険施設、その他の施設があり、年齢や要介護状態、希望に合わせた施設選びが重要です。
それぞれの特徴を十分に理解することで将来への不安が軽減されますし、何より事前準備ができるので施設入所の段階で失敗することも少なくなります。
何となく理解している方も一度確認しておくと良いでしょう。
介護保険施設(特別養護老人ホーム、老人保健施設、介護療養型医療施設)
介護保険施設に位置付けられている施設は、要介護状態になると利用が可能です。
しかし、特別養護老人ホームは原則要介護2以上の方に利用が限定されましたので入所申し込み時には注意しましょう。
特徴は1割負担、食費、居住費を合わせても比較的低額で利用できる点です。
特に負担軽減を受けると1ヶ月10万円以下で24時間介護や看護が受けられるので利用している要介護者は非常に多いです。
介護保険居住系サービス(介護付き有料老人ホーム、認知症対応型共同生活介護)
介護付き有料老人ホームは「特定施設入居者生活介護」の指定を受けた有料老人ホームで、要介護状態であれば、介護サービス部分は1割の負担で入居することができます。
しかし、食費や居住費は施設ごとに設定されているので、総額では介護保険施設よりも高くなってしまうのが一般的です。
また、認知症対応型共同生活介護は認知症を発症している要支援2以上の方が対象とされており、こちらも介護サービス部分は1割負担ですが食費や居住費は施設ごとの設定ですので費用負担は決して安くはありません。
措置施設(養護老人ホーム)
養護老人ホームは65歳以上で身体的・精神的理由や環境上の理由で自宅での生活が難しくなった方が対象となります。
応能負担ですので費用は所得に応じて決まり、経済的に入所ができないということはありません。
入所申し込みは市区町村で行い、緊急度の高い方から入所が決まりますし、養護老人ホーム事態が少ないので入所が難しいのがデメリットです。
その他の施設(ケアハウス、サービス付き高齢者向け住宅、シルバーハウジング)
介護保険サービスでも措置施設でないものもあります。
60歳以上で要介護状態に無いことが条件ですが、それ以外は特に制限はありません。
ケアハウスは見守りや食事の提供サービスが付いていますが、サービス付き高齢者向け住宅には食事サービスが付いているものとついていないものとがあります。
シルバーハウジングは見守りサービスのついた公営住宅の高齢者専用住宅という理解で良いでしょう。
どちらかというと、60歳を超えて少し一人暮らしが不安だったり、身の回りのことが十分にできなかったりした場合に検討する施設だと言えます。