ベトナム研修生を機械大手のIHI 、造船大手の三井造船が大量採用
機械大手のIHIが工場の人手不足を解消するために東南アジアからベトナム研修生を大量に採用する方針を打ち出した。
IHIは、外国人技能実習制度を活用してベトナム研修生を150人程度を採用する。
船体の溶接などを担当する三井造船もベトナム研修生を前年の倍の100人程度の本格体制に移行する計画。
IHIは、愛知県の事業所で9月から雇用を開始する計画となっている。
同事業所では、液化天然ガス(LNG)船の巨大タンクや、海底油田を掘削する専用船などを生産している。
IHIが今回採用するベトナム研修生をは、外国人技能実習生として日本語などの基礎研修を受けた大卒者などが対象となっており、
三ヶ月ごとに20人ずつ雇用して150人まで増加させていくとの事。
1名あたりの雇用期間は制度にしたがって3年となっている。
作業への具体的な参加のさせ方としては、比較的やさしい作業をベトナム研修生に任せることからスタートし、徐々に技能を高めて行く計画。
これらの背景には、東海地方は、自動車や航空産業が多く集まっているため人材の争奪戦が起こっている。
この為に、慢性的に日本人労働者の採用が難しい地域とされている。
今後、さらに少子高齢化の影響で採用競争が激しくなるなか、外国人労働者であるベトナム研修生を戦力に育てる動きが活発化してきている。
記事によると、IHIは、同事業所で現在の600人から1000人の体制にまで従業員を増やす計画を立てているが、確実に採用できるという確証はなく計画の未来は不透明な状況。
人手不足を解消するために溶接など一部の機械の自動化なども平行して行ってきてはいるが、自動化にも限界があり、体制構築に苦慮している状況。
やはり、ヒトが関わらないと自動化では対応できない業務が多々あるために人材不足問題に大きな影響を受けている。
そのために期間限定のベトナム研修生を技能を育成しながら、戦力に据えて行くという構想を打ち出している。
造船大手の三井造船もベトナム研修生の受入人数を段階的に増やす計画を打ち出している。
いままではインドネシア人等を中心に現在、約30人の外国人を雇用してきたが、今後はベトナム研修生を中心に2016年度までに100人に増員していく予定との事。
日経新聞より抜粋
もう日本人を中心とした人材派遣、人材紹介では賄う事ができない時代が到来してきています。
2010年以来、人材紹介業界の市場規模は3倍以上の市場規模に成長し求人倍率はバブル期を大きく超え始めてきています。
外国人技能実習生のベトナム研修生の受け入れには、慎重論も多く出ていますが、現在のところ、産業界からの門戸開放論が多数派となっているようです。
今後、日本人の若者たちが造船業界に大挙して押し寄せるという状況になることも非常に考えにくいかと思います。
IHIや三井造船が外国人技能実習制度を導入してベトナム研修生を拡大していくことこそ、本制度の進化本領を発揮することになるかとおもいます。
私は、まさにIHIや三井造船の行うベトナム研修生への研修こそが、本制度の本丸ではないのか!と考えています。
ベトナム研修生にとっても、IHIや三井造船のような日本の中核ともいえる環境で技術教育、安全衛生管理教育を受ける事は、きっと本国に帰国してから自国の発展に生かすことができる体験になるのではないでしょうか?
今回のベトナム研修生の拡大論は、まさに応援するところです。
きっと相互に大きな実りのある研修になるかと思います。
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