ベトナム人実習生など 介護人材 アジアで争奪戦 高齢化、日本より急ピッチで進行中
高齢化で需要が膨らむ2025年度に30万人が不足する介護スタッフ問題。。
政府はベトナム人など外国人を活用して人手不足を和らげようと研修制度の拡充などを打ちだしたが、アジアでも高齢化で介護需要が増え始めている、アジアを舞台にした介護人材の争奪戦は激しくなりそうな雲行きとなってきている・・・。
ある社会福祉法人の専務理事は昨秋訪れたベトナムで『介護人材が台湾などにかなり流れている』と耳にした。
台湾は経済成長が続き賃金の水準があがっているうえ、日本の外国人技能実習生の制度やEPAなどの研修制度と比べて就業条件もとても緩やかである。
ベトナム人実習生などによる日本の技能実習生は入国期間が3年で、単身での来日と定められている。
これに対して台湾の就労ビザは、入国期間が12年で、家族と共に滞在できることが人気となっているようです。
台湾は、ベトナムにも近いため介護職場として日本より台湾で研修生を選ぶ人が増えたている状況だという。
日本語能力と介護の技能を備えた外国人を安定的に確保するには、アジアで自ら育てるのが早道だ。こう確信してきたがEPA締結国だけでは人手確保に不安がある状況となってきた。
「日本語がブームで親日的なベトナム人実習生が有望だ」と判断が変化しはじめている。
大学が開く介護学科に講師を派遣し実習生を介護福祉士候補として日本に受け入れる仕組みづくりに動いている。
円安も壁に
だが、思惑通り人材を確保できるかは微妙だ。「円安が進み、介護人材の確保は大変になった。」
多くのベトナム人実習生を送り出しているベトナム政府関係者はこの2015年の3月、アジアから日本の医療福祉への就労を支援するNPO法人AHPネットワークの事務長にそう指摘した。
2014年後半からの円安で日本での稼ぎはアジア通貨に換算すると1割から2割の目減りをしている状況である。
アジアの「労働力輸出大国」フィリピンではどうか?
首都マニラの北の郊外であるパンパンガ州に住む女性のカルロスさんは、三人の子供の学費を稼ぐために専門学校で介護を学んでいる。
だが現在では考え方が変化してきているようだ。。。
「日本は介護士が足りないと習ったけど、ニホンゴを勉強するには追加料金もかかるし…」と言葉を濁す。
英語が公用語のフィリピン人にとっては、アジア域内だけでもシンガポールや香港など、一定程度を稼げる選択肢は豊富にある。
加えて「中国の富裕屬がフィリピン人を家事手伝いとして雇い入れ、高齢の両親の介護や子どもの英語教育をしてもらう動きが出ている」 (AHPネットワークスの事務長)。’
フィリピン外務省によれば、中国政府は外国人の家事手伝いなどへの従事は法律で禁じている。
だが、比国内のあっせん業者や中国側のビザ延長年などを手伝う組織や個人を介した出稼ぎが広がっている
高齢化は中国が焦点
アジアの高齢化は日本以上のスピードで進み始めている。65歳以上が全人口に占める割合「高齢率」は、日本が1990年の12.0%から2030年に31.6%と、約20ポイントあがるのに40年ほどかかる。
一方、韓国は10年の11.1%から40年の30.5%、台湾は10年の10.7%から40年の30.1%といずれも30年ほどで日本よりスピードが速い。
焦点となるのは、中国の動きだ。高齢化率でみれば20年で11.7%、40年で22.1%。
勧告や台湾と比べて低い数値に見える。
だが、総人口が14億人と巨大なめ5年後の20年には日本の総人口を上回る約1億4千万人が高齢者となる計算だ。
一握りの富裕層がベトナム人実習生などの外国人の介護スタッフを雇う動きを進めるだけでもアジアの労働市場に大きな影響を与えるであろう。
かつてアジアで唯一の先進国だった日本の介護現場は、発展途上国のアジア各国から見ると比較的高い給与がもらえるとされてきた。
日本はそうした常識を引きずったままアジアで介護人材を確保しようとしている。
だが、アジア各国の成長と高齢化が進む中、常識は急速に逆転しはじめた。
金融やITなどの高度な専門職に続き、介護の世界でもベトナム人実習生など各国の人材の争奪合戦が起きようとしていると言われている。
このような状況で思うことは、非常に複雑な心境にならざるを得ないぞわぞわとした感情がわいてくること。
すでに、日本は先進国としての推進力は失われていると判断するのが正常でしょう。
原因には、様々な要件があるかと思いますが、まずは新たな技術革新と産業構造の創出に尽きるのでしょうけど。。。。
あらゆるIT技術がグローバル世界で競争にさらされている現在。
日本が日本として存在するのはどのような選択史があるのでしょうか?
空前の好景気であるバブル崩壊から約25年以上がたったのでしょうか?
ジャパンマネーの力は、もうどこの世界にも通じないのもご存知の常識かと思います。
中国には、資産10億円以上の資産家が2億人ちかくいるそうです。
2000年まで中国に旅行するには入国ビザが必要で、不要不急の人以外は入国制限されてました。
2000年の時点で、中国全体の平均月収は500円、上海湾岸部で5000円と言われていた時期がありますが、2005年には上海は5万円になり、現在は、12万円が平均月収だそうです。
タイが8万円、台湾が15万円。。。。
1990年代に先進国だった日本は、アジアの発展途上国との所得差が約200倍くらいあったような状態だったのですよね・・・。
それもいまや昔の25年前の思い出です。
ベトナム人実習生などのアジアの発展途上国の人たちもみなスマホを所有し、液晶テレビを見れるようになっています。
考えてみれば当たり前のことかも知れません。
(参考)日本経済新聞 2015年4月4日
グローバルな人材争奪戦で勝利者になるために、私たちはどのような選択肢を取るべきなのでしょうか?
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