(出典:photo AC)
体内には数多くのホルモンや神経伝達物質が存在しています。その中でも特にセロトニンと呼ばれる脳内物質は、睡眠や感情を司る神経伝達物質といわれ、精神を安定させる作用があります。この神経伝達物質とは細胞間での情報を伝達する物質で、この物質のお陰で脳からの情報が身体の隅々に伝わっていきます。
セロトニンは「睡眠」や「感情」という情報を隅々に伝達したり、コントロールする物質ですので、睡眠や不眠等に密接に関わってきます。
セロトニンは朝太陽の光を浴びて体内で分泌され、夕方になるにつれ次第に分泌量が減少します。セロトニンが不足した状態になるとやる気や集中力が低下し、うつ病状態となります。日中もぼんやりすることが多くなり、夜も睡眠が浅く寝つきが悪く目覚めやすくなります。
逆にセロトニンが増えると精神状態が落ち着き、やる気を高め、夜もよく眠れるようになります。これは、セロトニンは睡眠ホルモンとも呼ばれるメラトニンというホルモンの合成に関わっているからです。さて、メラトニンとは?
朝、体が日光を感知するとセロトニンが合成されるのは前述の通りですが、その15-16時間後の夕方になりメラトニンと呼ばれるホルモンが脳より分泌されます。深夜にかけて分泌量が多くなり、朝方になり次第に減少します。体が日光を感知する時間により、メラトニンが分泌される時間が決まるので、不規則な生活だったり、起床時間が遅い場合は、メラトニンの分泌も遅くなり寝つきが悪くなります。
また、夜遅くに強い光をあびても分泌されにくくなるので、睡眠前は照明を落とし、オレンジ色のライトを使うと効果的です。更に、メラトニンは脈拍や血圧、体温を低下させるので、副交感神経を優位にさせ睡眠を誘います。
年齢と共にメラトニンの分泌量は減少するので、老人は眠りが浅く、早起きだと言われています。
メラトニンはセロトニンから合成されるので、セロトニンを増やせばメラトニンも増えることになるわけですが、さてセロトニンを増やすには?
- 午前中できれば起床時直後に日光を浴びる - 太陽は体内時計をコントロール働きがあります。この体内時計は実は24時間より長めに設定されており、太陽はこの狂った時計を元に戻してくれます。
- 必須アミノ酸(トリプトファン)の摂取 - セロトニンはトリプトファンから合成されるので、トリプトファンの摂取は必須です。
- リズミカルな運動をする - ウォーキング、サイクリング、ジョギング、ダンス、階段の上り下り等
- 咀嚼 - 上記のリズミカルな運動の一部となります。
- 規則正しく生活する - 上記の繰り返しになりますが、早寝早起きをし、バランスのよい食事と適度な運動を心がけましょう。
- 継続 - 上記の行動を毎日続けることにより、セロトニンの分泌量も徐々に増えていきます。
現代人は子供から大人まで慢性的なセロトニン不足です。早寝早起きで生活習慣の改善を図り、心身共に健康になってみませんか!