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「眠りたいのに、なんで眠れないの…」~どうしたら、眠れる?「体内時計」~

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「眠りたいのに、なんで眠れないの…」~どうしたら、眠れる?「体内時計」~

「睡眠障害」のひとつである「概日リズム睡眠障害」の原因と考えられるものに「体内時計」の不具合があります。

では、「体内時計」とは、いったいどういうものなのでしょうか?

 

★「体内時計」の仕組み

「体内時計」とは、簡単に言うと「夜になると眠くなること」で、時計がなくても、夜になると自然に眠くなる身体の仕組みのことです。「眠ること」は「身体と心に休息をあたえること」になるので、そのためには、昼の間、活発に動いている身体の機能を鎮めることが必要となってきます。そこで、夜になると、脳の「視交叉上核(しこうさじょうかく)」という器官から「メラトニン」というホルモン物質が分泌され、これにより身体全体の働きが抑えられ、「眠り」につく状態にもっていかれるのです。

 

★なぜ「体内時計」が狂うの?

「体内時計の狂い」から生じる症状の代表的なものは「時差ボケ」です。10時間前後、飛行機に乗って海外に出掛けた時、日本を朝早く出発したのに、現地に着いてみたらまた同じ日の朝だった、ということがありますよね。その結果、その日の一日は36時間になり、しばらくは昼間なのに強烈に眠くなったり、夜中に目が覚めたりと、現地の時間と自分の体内時計がかみ合わないことで起こるのが「時差ボケ」です。この原因は、自分が地球上を移動し、標準時が変わったことで生じた「体内時計の狂い」ですが、どこにも移動していないのに「体内時計の狂い」が生じるのは、なぜでしょうか?

その原因は「メラトニンの分泌量の低下」にあります。快適な眠りを導き出すホルモンであるメラトニンが減少すれば、不眠になるのもうなずけますね。

では、なぜメラトニンが減少するのでしょうか?その原因は大きく言うと、現代の「24時間社会」にあります。24時間、昼夜の区別のない生活が、体内時計を狂わせてしまいます。また、そういう業種でお仕事されている方にも、その危険性があります。さらに、メラトニンは体内で分泌されるホルモンなので、ストレスなどにより自律神経の働きが悪くなると、ホルモンバランスが崩れて、メラトニンの分泌が減少し、「体内時計の狂い」を招いてしまうのです。

 

★「体内時計」の狂いをリセットするには?

では、そんな風に狂いの生じた「体内時計」をリセットすることは出来るのでしょうか?

メラトニンが夜になると分泌されるという現象には、人が朝起きて朝日を浴びてから、14~16時間たつと分泌されるという規則があります。ですから、正常な体内時計だと、朝7時頃に起きて朝日を浴びると、夜の9時頃からメラトニンが分泌されて、眠気が起こってくるのです。体内時計に狂いが生じていると、このようにはいきませんが、取りあえずは決まった時間に寝て、決まった時間に起きるということを続けましょう。そして、大切なのは、朝起きた時に朝日を浴びるということです。これにより、メラトニンが分泌される時間がセットされるからです。もちろん、曇りや雨の日もあるでしょうが、朝起きてカーテンを開ける、という習慣を心掛けましょう。そのためには、夜寝る時にきちんと寝室のカーテンを閉じ、光を遮断することも必要です。

また最近よく言われるのが、PCやスマホの青い光です。この光は交感神経を刺激し、脳を活性化してしまいますので、眠りの妨げになります。就寝1~2時間前には、PCやスマホを扱うのをやめましょう。

ストレスや運動不足、暴飲暴食などにより、自律神経の不調を招き、そのためにメラトニンの分泌が減少してしまうことで、体内時計の狂いが生じることもあります。「不眠症」対策と同様、ストレスを溜め込まない、軽く運動する、バランスのとれた食事をする、ということも体内時計をリセットする働きを持ちます。

 

 

日本が「24時間社会」になったのは、ほんのここ十数年のことです。その急激な変化に、身体の機能が狂わされ「睡眠障害」という症状も出てきました。人は本来、「夜行性」の生き物ではなく「昼行性」の生き物である、ということを思い出し、「世間の光」に惑わされない規則正しい生活が、「睡眠障害」を起こさないいちばんの近道ではないでしょうか?

「眠りたいのに、なんで眠れないの…」~どうしたら、眠れる?「体内時計」~2

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