怪我や病気の後遺症によって失われた機能を回復するためのリハビリテーションには、さまざまな方法があります。
ここ最近では、新しいリハビリの方法として注目されているのが音楽療法です。音楽を聴くと、楽しい気持ちになったり、楽器を演奏して、いきいきとした気持ちになったりしますよね。この効果がリハビリとして応用されています。
今回は、音楽療法について紹介します。
音楽療法って?
音楽療法とは、日本音楽療法学会によって「音楽のもつ生理的、心理的、社会的働きを用いて、心身の障がいの回復、機能の維持改善、生活の質の向上、行動の変容などに向けて、音楽を意図的、計画的に使用すること」と定義されています。
音楽療法は、専門のトレーニングを積んだ音楽療法士によっておこなわれます。
どのような人に必要なの?
大人から赤ちゃんまであらゆる人に役立ちますが、医療機関や介護福祉施設などでは脳卒中やパーキンソン病の後遺症がある人や、認知症状のある人などを対象としています。うつ病やひきこもりなど精神面の問題を抱えている人も対象になります。
音楽療法がもつ効果?
①身体的効果
音楽に合わせて身体を動かしていると、自然と身体が動かしやすくなります。歌うことは呼吸が深くなるため、血行や代謝を促進する効果もあります。
②心理的効果
楽しい・嬉しいなどの感情を引き出します。生活意欲が向上する、気持ちが落ち着く、気分を切り替えられるなどの効果もあります。
③社会的効果
一緒に歌ったり、演奏したりすることで他者との交流や社会への参加を促進する効果があります。
④認知的効果
記憶を想い起したり、意識が改善されたりして、脳の活性化を促進する効果があります。
実践例をご紹介します!
①認知症ケア
認知症状のある人に対して、音楽による脳の活性化をおこないます。こどもの頃に歌った曲や若い頃の流行歌などを聴くことにより、回想法と同様に昔のことを思い出して、脳を活性化させます。気持ちが落ち着くリラクゼーション効果もあり、よく眠れるようになったり、食欲が増進したり、笑顔が増えたりします。
②歩行訓練
脳卒中などの後遺症により歩行が難しくなった人に対して、リズムを利用して歩行訓練をおこないます。患者が理学療法士と歩行訓練をおこなう際、音楽療法士がメトロノームや患者の好きな音楽を用いて歩行リズムを調整します。腕の振りや歩幅が大きくなり、歩行障がいの改善に役立ちます
③うつ病やひきこもりなど精神的な問題のケア
うつ病やひきこもりに対するカウンセリングの際、音楽によって不安やストレスの軽減やリラックスした状態をつくります。
音楽療法を自宅でおこなうときは、市販されている好きな音楽のCDを利用したり、思い出の曲を歌ったりするだけで十分に脳が活性化されます。
カラオケボックスで大きな声で歌うのもストレスが軽減されて良いですね。
音楽を楽しみながら、心身の健康や身体機能を維持・向上させて日々の暮らしを豊かなものにしましょう!
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