「もし倒れて寝たきりになっても家族に迷惑はかけたくない」
私が生活支援に入っていたおばあちゃんは毎日のようにそう言っていました。
寝たきりになって下(しも)の世話だけはされたくない、と。
もし倒れたら…
あなたはどのように思うでしょうか。
いつまでも自分のことは自分でしたい。
リハビリは単に機能訓練というだけではなく、その先の「自分らしい社会生活」を送るために不可欠なものなのです。
■リハビリの役割は
今や要介護者のうち約24%が脳血管障害といわれ、そのうち約4割程度は脳卒中の後遺症で運動機能の低下・片麻痺・失語症等になります。
もしリハビリをしなければどうなるでしょうか。
体の関節が固まり筋力がなくなってきます。
さらには言語が不明瞭になったり、便秘や失禁など自律神経障害などさまざまな障害をおこします。
そして最終的には寝たきりの状態から廃用症候群へと進んでいきます。
もし障害が残ったとしてもふたたび日常生活を送るためにリハビリで体・頭・言語障害を軽減することはとても重要なことなのです。
■リハビリの種類
主にリハビリには3種類あります。
・理学療法
身体障害者を対象として基本的動作能力の回復を図ります。
体操・運動・電気療法・マッサージ、他の物理的両方を行います。
・作業療法
身体又は精神の障害に対し主に日常生活への適応能力の回復を図るため、手芸・工作その他の特定の作業を行います。
・言語聴覚療法
脳卒中による失語症や食べることに障害がある人を対象に顔や口、舌の運動機能を高める・声や発音を改善する、噛んだり飲んだりする機能の改善を目的としたリハビリをします。
病院ではそれぞれの療法士の間で連携がなされ、個々の障害に応じて適切なリハビリが処方されます。
■環境を整えてリハビリの継続を!
病院のリハビリである程度歩けるようになり、トイレも自分でできるようになって退院しました。
そんな人が自宅に帰るとまた後退してしまうことがあります。
リハビリ施設のような手すりがなかったり、トイレが和式だったりするために結局ベッドの上で過ごす時間が長くなりまたオムツに戻ってしまうのです。
入院中から自宅に帰る日のために廊下・トイレ・風呂に手すりをつけるなどできる範囲で改修し、帰宅後の環境を整えておくことも大切です。
■最後に
リハビリで一番大事なこと。
それは、自宅に戻ってからもあなたが日常生活の中で積極的に体を動かし、頭を使い、周囲の人とコミュニケーションをとることです。
そして家族、周囲の人は「できないからやってあげる」のではなく、「自分でできるように見守る」姿勢でいることが本人の回復と自立に一番大事なことなのではないでしょうか。
http://www.photo-ac.com/main/detail/3919?title=%E3%83%98%E3%83%AB%E3%83%91%E3%83%BC%E3%81%A8%E7%94%B7%E6%80%A711
http://www.photo-ac.com/main/detail/92515?title=%E7%AC%91%E9%A1%94%E3%81%AE%E8%80%81%E5%A4%AB%E5%A9%A68