うつ病を経験した人、もしくは現在うつ病の治療を行っている人の多くは薬物治療の経験があると思います。
薬物治療によって精神を落ち着かせたり、普段の生活に戻れる体質に近づけていく非常にありがたいものです。しかし、うつ病に効果のある薬の中で認知症を発症させるリスクが高まる薬品があると発表されました!
現在話題になっているその薬品とは何か?紹介していきます。
■1:認知症を発症させるリスクを高める薬品は?
その薬品の名前は「抗コリン薬」と呼ばれるものです。
本来はうつ病の治療ではなく、胃痙攣を抑える・気管支の拡張を行い、軌道を確保する・パーキンソン病の治療薬等、違う分野で使用されていた薬です。しかし、花粉症等の鼻水や痒みを止める効果、そしてうつ症状の緩和に効果がありましたのでうつ病の治療薬としても使用されています。効果は素晴らしいですが副作用もあり、一時的に喉が渇く、または記憶障害が出てしまいます。
そこでワシントン大学の医学博士らによるチームは、本当に抗コリン薬が認知症を発生させるのか?実験を行いました。それは65歳以上の認知症の兆候が全く感じられない方々、約3400人を集めて健康状態を、追跡調査を開始しました。その際、抗コリン薬または抗コリン薬が含まれる薬品を何回服用したか?回数は?等、細かく確認をとっています。
結果、抗コリン薬の一種であるうつ病治療でも利用されている抗ヒスタミン薬、そして抗コリン薬と同様の成分を持っている失禁を抑制する薬だった事がわかりました。
そして何より、それらの薬品の20%が医師や処方箋無しに購入できる市販薬です。
ちなみに先ほど紹介した約3400名の内、797名は認知症の症状が発症したと言われています。
■2:本当に抗コリン薬で認知症になるの?
上記の実験結果が出ますと、うつ病を克服するために服用している人は危険にさらされます。実際のところ、本当に抗コリン薬で認知症が発症するのでしょうか?
現在のところ、抗コリン薬を摂取しただけで認知症が発症すると言う確実なデータはありません。イギリスのアルツハイマー研究所のSimon Ridley博士も「決定的なものではない」と証言しており、同じ研究所に在籍しているDoug Brown博士も同様に「明確ではない」と言っています。
とは言え、認知症を発症させる可能性は0ではありませんので気になる人は一度病院へ行く事をオススメします。
最後になりますが、うつ病の治療もしくはリハビリとして利用されている抗コリン薬はもしかしたらうつ病を発症させる可能性があります。
上記のよう確固とした証言やデータはありませんが、不安を感じるなら医師と相談した上で薬を減らしていく、または止めましょう。
引用URL
http://www.ashinari.com/2013/02/28-376733.