リハビリテーションとは「リ・ハビリテーション」であり、“リ”つまり「再び」、“ハビリ”「適した」状態になることを指します。
「適した状態とは何か」
適した状態というのはどういうことでしょうか。高齢者介護でいえば、病気の後遺症や怪我などで何らかの障害が残ってしまい、介助を受けないと生活がおくれなくなってしまった場合において、そうなる前の状態に戻る、ということを意味すると考えてよいでしょう。
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ただし、高齢者というのは何も障害がなくても段々と筋力が衰え、骨がもろくなり関節も固くなっていき、今まで普通に出来ていたことが出来なくなるという特徴があります。
さらに体操や運動を行っても、若い時のようにその効果が現れる程度も少なくなるものです。
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ですから、高齢者介護におけるリハビリテーションとは、完全に介助が必要となる前に戻ることを指すというよりも、現状よりも少しでも介助が必要のない状態に回復するというように考えることが出来ます。
もちろん脳梗塞で入院し、治療を行い、その後自宅に帰れるように短期集中的に行うリハビリテーションとは一線を引いて考えることが前提です。
では、そんなリハビリテーションの世界において、何か流行というものがあるのでしょうか。
「よく観察すること」
あるセラピスト(リハビリを行う専門職を総じて呼ぶ)はこう言います。
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“よく、手を観察します。手には、その方の生活歴が現れています。例えば、しっかりとしてゴツイ手の場合には、力仕事や農作業など体を使う仕事をしている場合が多く、逆にしなやかで細い手であれば、事務系の仕事などが考えられます。”
なぜそのような事を考えるのでしょうか。それは、観察結果がリハビリ展開へのヒントとなるからです。
例えば、しっかりした手の場合には握力もしっかりしているかもしれません。だとすると、手すりを掴んで自分の体重を支えることが出来るので、歩行が不安定な時にどんな福祉用具を活用してどんな環境を整えれば良いのか、またどんなリハビリを行えばその長所をのばすことが出来るのか、などを考えることが出来ます。
手すり一つとっても、女性の場合には男性よりも太くない方がつかまりやすいという特徴があるほどですから、握力があるかないかによって、どの位置にどんな太さの、或いは形の手すりをどのようにつければ良いのかということにも関わってくるのです。
「どうでもいい話」
これは、相手にリラックスしてもらうための手段だと言います。
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リハビリは、痛みが伴う事もある楽ではない作業です。ですから、多くの高齢者はリハビリに対して、或いはリハビリを行ってくれるスタッフに対して、何らかの身構えをしてしまうようです。さらに、リハビリを行うのが病院や施設などであれば、そこは閉鎖的な空間ですので尚更といえます。
そんな時、どうでもいい話をすることで高齢者の緊張も解けてリラックスし、会話の中から本音がポロッと漏れることもあります。
この本音をすくい上げて、リハビリテーションの目標、或いは今後の生活の目標として考える訳です。