介護の現場で車椅子を利用していく場面は豊富にあります。車椅子は、利用者の活動性を上げていったり、介護者の労力を減らしていける大きなメリットがあります。ついつい頼りがちになってしまいますが、状況によっては車椅子に頼りきらない選択肢も必要であり、車椅子の利用頻度は慎重に決めていく必要があります。
車椅子はただ使えれば良いということではなく、姿勢や使い勝手に十分配慮をしていく必要があります。いわゆる一般的な車椅子(自走用車椅子)は利用している人が自分で動かしやすく作られている車椅子になります。この車椅子を利用する限りは、できるだけ利用者にこいでもらい、身体機能を必要以上に下げないようにすることが必要です。介護をする側がすぐに後ろから車椅子を押してしまうこともありますが、自走用車椅子を利用している意味を考えておく必要があります。(時折、車椅子が足りないから、どのような人にもこの車椅子を利用していることもありますが、できればこのようなことはしないほうが良いとされています)
介護者の移動が主になる車椅子は介助用車椅子というものがあります。これは利用をしている人が自分でこぐことができないようになっており、介助者の助力を得ることで移動ができる車椅子となります。介護量が多くなっている人への車椅子となります。
間違っても、身体機能がまだしっかりと残っている人をこれに乗せてしまうようなことはないようにする必要があります。この車椅子は便利ですが、移動をするための運動が全くと言って良いほどなくなってしまうので、身体機能の低下は非常に早くなってしまいます。
- 電動車いすという選択肢もある
車椅子の中には電動車いすもあります。電動車いすは、身体機能は低下しているが、認知機能はしっかりしている、自分で自由に移動をしたいというニーズを持っている人向けの車椅子となります。操作もそれほど難しくなく、使い勝っても良いです。ただ、バッテリー等の影響で重量はとてもあり、万が一の際に持ち上げて移動してもらう等のことはまずできないと思っておく必要があります。(車椅子を利用して外出していると、段差や簡単な階段を越える際に、持ち上げて移動させるという場面がたまに生まれてきます)
車椅子の利用の仕方は、介護をしている人でもあまり良くわかっていないことが多いです。そのため車椅子の選択で間違えてしまい、床ずれのようなものを起こしてしまったり身体機能の低下を引き起こしてしまうことはあります。これは現代の介護現場において問題点となります。
引用
http://nursing-care.org/02-welfare/016-welfare.html