ストレスは誰にでもあるものです。すべてのストレスが悪いというものではなく、適度なストレスが人間にとっていい刺激になることもあります。たとえば、やや高めの目標を設定すれば、単調で楽にできるものよりもかえってやる気が出ていい結果が出せるなど、これはストレスが有効に働いたケースです。
しかしストレスの強さがあるレベルを超えると、能率は急激に低下します。そして過労死はこのような状態のときに起こるといわれています。
ストレスが許容範囲を超えると現れるサイン
ストレスが強過ぎたり、長引いた場合、その人が耐えられるレベルを超えてしまうと心や体や行動にいろいろな変化が現れます。
心の変化としては、情緒が不安定になってイライラしたり、集中力や気力なくなって仕事や家事がはかどらなかったり、気分が落ち込むなどの傾向が見られます。それがひどくなると、強い不安感に襲われたり、妄想や幻覚などの精神症状も現れることがあります。
体の変化としては自律神経の働きが乱れるために起こるさまざまな症状があります。常に疲労感がある、だるい、頭痛や肩こりがひどいといった症状のほかに、吐き気や胸やけ、食欲不振、便秘や下痢を繰り返すなど胃腸に症状が現れることもあります。
行動の変化としては、お酒やたばこの量が増えたり、暴飲暴食、高価なものを衝動的に買ったり、攻撃的になったり、会社や学校に遅刻や欠勤を繰り返すといった場合もあります。
ストレスによる不調は、はっきりと症状を言葉で表すことができません。「何となく具合が悪い」「気分がすぐれない」といった具合で、本人も周りの家族も重大に考えずに、そのままにしていることで重症になることもあります。
こうしたサインを見逃さずに、早めに対処することが病気を防ぐ第一歩です。
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