良質な睡眠は一日の疲れを癒し、翌日のエネルギーを蓄えます。ところが睡眠不足が続くと、さまざまな不具合が出てきます。もちろん皮膚の代謝も悪くなってしまいます。寝不足で肌がボロボロという経験を持つ人も多いのではないでしょうか。頭皮は皮膚と同じですから同じことがいえます。
睡眠の薄毛への効果とは
眠っている時には、私たちの体の中では自律神経のうちの副交感神経が活発に働きます。血管が拡張するため、血行が良くなります。頭皮の血行もアップするため毛を作るための重要な毛母細胞の代謝も盛んになります。
質のいい睡眠とともに重要なのが寝る時間帯です。副交感神経が最も活発に働くのは、夜10時から午前2時までの間といわれています。この時間帯にしっかりと睡眠をとることで、頭皮は盛んに新陳代謝を繰り返し、新しい細胞を作り出します。
深い眠りに入ることで成長ホルモンが分泌され、皮膚の細胞に成長を促します。それとともに日中の痛んだ箇所を修復します。このように睡眠は薄毛予防に非常に効果があります。
深夜まで起きているとハゲになる?
自律神経には「交感神経」と「副交感神経」があります。この2つの神経はお互い対照的な働きをすることで体のバランスを取っています。体や脳を活発に動かし、仕事や遊びをしている日中は「交感神経」が優位に働いています。そして体を休める夜になると「副交感神経」が変わって優位になります。この時、昼間にたまった老廃物が処理され栄養を消化し、そして体に栄養を蓄えます。
副交感神経が優位になる時間が午後10時から深夜2時ごろまでです。そこから徐々に交感神経が優位になり朝の目覚めがやってきます。この大切な時間帯に眠らずに仕事や遊びを続けてしまうと、副交感神経の出番はなくなって頭皮への栄養も行き届かず、ハゲになりやすいといわれています。
リラックスして副交感神経を優位にする
副交感神経や成長ホルモンの恩恵を受けるためには、毎日8時間の睡眠と夜10時までには布団に入るのがベストだとわかっていても、実際には難しいことです。普段からの睡眠不足と睡眠時間帯のギャップを修復するには「休日前は早めに寝て、リズムを整える」というのが最も手っ取り早い方法です。しかし休日前は遊びに行ったりしてついつい夜更かししがちです。そんな時には時間の過ごし方を工夫します。
たとえば、眠っていなくても心身が癒される時間を過ごせていれば副交感神経が優位になります。好きな音楽を聴く、ぬるめのお風呂にゆっくりつかる、アロマを楽しむなどの工夫をしましょう。
逆に読書や映画、カラオケなどストレスの解消になるかもしれませんが、脳の働きを活発にして興奮状態にしてしまうので睡眠のためにはあまりよくありません。
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