高齢者介護の世界でも、その時々の流行というものはあるのでしょうか。もちろん、あります。一時の流行もあれば、長年の流行もあります。ただ、長年の場合には流行とはいわないかもしれませんが…。
今回は、長年の流行の一つをみていきましょう。
「高齢者介護に必須な技術であるコミュニケーション能力」
高齢者介護の世界において、介護技術として絶対に必要だといわれているものの一つに、コミュニケーション能力があげられます。
コミュニケーションは、人と人とが関係し合うことに欠かせません。よく、人は一人では生きていくことが出来ないと言われていますが、例えば無人島にでもいない限り、何かしら、誰かと関わって生きているものです。
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ただその関わり方において、以前のように直接会って言葉を交わしたり触れたりするスキンシップなどから、モバイル機器を使用してソーシャルネットワークサービスなどを利用する方法が増えてきているという現実はあります。
高齢者介護においては、モバイル機器で行うことが出来ません。介護が必要な高齢者と単なるコニュニケーションをとるだけなら可能ですが、実際に介護を行うには、目の前に対象者がいなければならないのです。
そんな世界において、ノンバーバルコミュニケーション技術の活用というのが流行となっています。
「ノンバーバルコミュニケーションとは?」
簡単に言うと、言語以外の方法で意思疎通を図ることです。具体定期には、表情、視線、体の動きなどがあげられます。
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なぜ、ノンバーバルコミュニケーションが流行なのでしょうか。それは、言葉というのは本当の気持ちと180度違うことが表せるのに対し、ノンバーバルになるとそうはいかないからです。
日常的に自分の本当の気持ちを話してこなかった人は、周りに気がつかれずに自分の気持ちを飾ることが出来ます。ですから、言葉のコミュニケーションでは肯定的に話していても、心の中では嫌がっていることもあるのです。
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こんな時、ノンバーバルコミュニケーションを駆使すると本当の気持ちを推し図ることが出来ます。例えば、ある話題に触れるとグッと手に力が入るとか、眼球の動きがいつもより早くなるなどです。このような時には、何か知られたくない事、言われたくない事、やってほしくない事に触れてしまったと推測することが出来ます。
また、認知症の方は、言葉をそのまま鵜呑みにしない方が良い場合があります。「いいよいいよ」と言っていながら、握っている手にギュッと力を入れたり、全身に力が入るような場合、本当はよくないのにそれを言葉で言い表すことが出来ないだけかもしれません。
このように、高齢者介護の世界においてノンバーバルコミュニケーションを駆使することは、相手が本当に必要としている者を知る、或いは提供するための大きな力となるのです。