特別な物や場所を必要としない、今すぐ誰にでもできる方法に「回想法」というものがあります。
回想法とは、過去の体験などを話す事で脳を刺激するものです。脳を刺激し活性化することで、認知症の進行を遅らせたり、認知症の予防になる事が認められています。
回想法にもいくつかのやり方があるので紹介します。
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■グループ回想法
家族や友達数名で行う方法です。用意できるようであれば、昔の写真や手紙、仕事道具などを用いると良いです。
質問者は、質問の仕方に気をつけましょう。例えば「昔は何をしていたんですか?」というようなアバウトな質問ではなく「若い頃はどのような仕事をしていたんですか?」「小学生の頃はどんな遊びが好きでしたか?」というように、わかりやすい質問をするようにしましょう。その際、間違いを訂正したり話を強制したりしてはいけません。本人が昔話にひたり、癒されることに意味があります。
■お出かけ回想法
これは昔の資料館や思い出の場所に足を運び、体で体験してみる。というものです。
普段の生活ではあまり目にすることのなくなった駄菓子や農機具、生活用品やおもちゃなどに触れることで、昔にタイムスリップし、楽しかった記憶や懐かしいー記憶に浸ることができます。色々な記憶を実際に目で見て体験する事で、脳を刺激しリフレッシュすることができます。
■音楽療法&回想法
昔よく聴いた曲や好きだった歌を聴く(口ずさんだり歌う)ことで、それに付随した当時の記憶が蘇ります。従って、音楽は脳に良い刺激を与え、QOLの向上やADLの改善に繋がることが多いのです。音楽の持つ生理的・心理的・社会的働きを、障害の回復や機能の維持改善、生活の質の向上、行動の変容に繋げるのです。
使われる音楽は、対象となる人によって様々ですが、青春時代に聴いていた曲がインパクトが強く効果があると言われています。馴染みの曲や歌を聴いたり演奏したりする事でコミュニケーションを促進し、脳を活性化させます。
現代は色々なリハビリの方法があり、各分野ごとに高い知識を持った専門家がいます。そのような方にリハビリをお願いすることも可能ですし、それが確実な方法ではありますが、まずは家族や友人と試してみてはいかがでしょうか。お互いに新しい発見があったり思い出話ができたりと、楽しい時間を過ごすことができると思いますよ。