政府 外国人管理職 日本で育成 滞在要件の緩和へ 海外の工場長など
日経新聞 2015年3月10日 朝刊より
政府は、日本企業の国際展開を後押しするため、海外の生産拠点で働く外国人の技術管理職を育てる新たな制度を導入する。外国人技能実習制度で外国人を日本に招いて初歩的な既存の技能実習制度とは別に、海外の子会社などの外国人従業員を日本の本社などに受け入れ、海外の生産現場の統括を行う知識や技術を学んでもらうことを目的としている。
3月中に制度の骨子を固めたうえで、早ければ2015年度中にも導入する事を目指す。
新制度の受け入れ対象は、海外工場に技術系の責任者として戻る人材などで。具体的には生産ラインに配置された現地従業員を指導する職長や、機会の保守から現場の人事までを統括する工場長などを念頭におく。としている。
品質管理や生産調整などの実務的な手法を学んでもらうなど、滞在期間は1年間程度で想定されているとのことである。
政府の海外現地法人の四半期調査によると、日本企業の海外子会社で働く従業員は約400万人であるとされている。
直近の5年間で約20%程度が増加している。
これにともない外国人の管理職も増えてきている。
トヨタやコマツなどの海外子会社を多く抱える企業の需要が大きいと見られる。新制度は年間で数千人規模の利用を見込んでいる。
この背景としては現在、日本に長期滞在する外国人は入国管理法に基づいて在留資格が定められており、「外交」や「教育」、スポーツ選手などを対象にした「興行」などがある。
外国人に初歩的な技術を教える「外国人技能実習」も在留資格の1つとして定めているが、管理職を対象にした制度になっていない。そのため新制度では入国管理法の改正で在留資格に新区分を設けるか、導入を急ぐために技能実習の特例で認めるのか?などの方法を検討することから着手されることとなる。
外国人技能実習制度では、受け入れ在留期間を最長5年間に延ばす方針だが、「機関の6分の1を日本語学習に充てる」などの要件がある。
管理職の候補者に必要な研修を実施し、すぐに海外で働いてもらう場合は使いづらい制度となっている。
新制度では要件を緩和し、英語などの現地公用語で実習できるようにする見通しが伝えられている。
既存の実習制度では安価な労働力を狙ったブローカーが暗躍し国際問題にもなっている部分がある。
新制度の対象は、同じ仕事であれば日本人従業員と同等以上の給与を支払うことになるなど労働者の権利を守る内規の整った企業に利用を限定させることを方針としている。
これからの雇用は、外国人でも日本人でも労働者の権利を守る内規の整った企業でなければ不可能な時代に突入したといえるであろう。
国連の圧力によって日本の最低時給は、全国で1000円以上になるといわれています。
大きく変わっていく社会環境に対して私たちは、何を北極星にめざし、どちらに舵を切っていくべきなのでしょうか?
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