月経に関するトラブルが発生するのは、女性ホルモンである卵胞ホルモンと黄体ホルモンが作られる過程で、何らかの障害が生じたときです。この障害は、脳の視床下部や下垂体、卵巣や子宮に問題があるだけではありません、膣の形態に異常があったり、ホルモン分泌にかかわる副腎や甲状腺がきちんと正常に機能していないときなどにも起こります。
無月経とは
無月経には2つのタイプがあります。ひとつは18歳を過ぎても初潮が起こらないタイプで「原発性無月経」と呼ばれています。もうひとつはこれまで定期的にあった月経が3か月以上停止してしまう「続発性無月経」です。
原発性無月経の場合は、処女膜が閉じていたり、先天的に膣や子宮がなかったりといった性器異常があります。処女膜閉鎖症は、処女膜が閉じているため月経血が排出されない状態です。そのため周期的な下腹部痛を起こすので処女膜を切開する必要があります。
続発性無月経は、性機能が未熟な思春期によく見られるものです。その原因で多いのが無理なダイエットやストレス、過度なスポーツです。これらが性機能をコントロールしている視床下部に影響し、性腺刺激ホルモンを放出するためのホルモン分泌を低下させて無月経を招きます。
続発性無月経の場合は、その原因となるものを取り除いてやれば、元に戻りますが、無月経を放置しておくと妊娠しにくい体になったり、将来的に骨粗しょう症になる心配もあるので、一度産婦人科で診てもらいましょう。
月経不順とは
月経不順は
・月経周期が39日以上3か月以内
・月経周期が24日以内
・月経が2日以内で終わってしまう
・月経が8日以上続く
このような症状がある場合は月経不順を疑いましょう。ただし月経周期は、環境の変化やストレス、体調にも大きく左右されるので、プラスマイナス6日くらいのズレなら特に心配はいりません。
月経がなかなか来ないという場合の原因で代表的なものに「多膿疱性卵巣症候群(PCOS)」があります。これは不妊を招くこともある症状で、両側の卵巣が腫れて厚くなり、発育が止まった卵胞が卵巣内に多発する病気です。症状としては月経だけでなく多毛、肥満などの症状があらわれます。
月経周期が24日以内という場合の多くは、排卵を伴わない「無排卵周期症」や黄体ホルモンの分泌が不十分なことによる「黄体機能不全」が原因で起こります。
月経が2日以内で終わってしまうという場合は、出血量が非常に少ないことがよくあります。明らかな原因がない限り治療の必要はありませんが、基礎体温で排卵の有無などをチェックしておくことが大切です。
月経が8日以上続くという場合は、貧血になっていることが多く、その背後に子宮頸管や子宮内膜のポリープ、子宮筋腫や子宮内膜症などの病気が隠れていることがあるので要注意です。
写真出典:photoAC
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