日本人の死因、第三位以内に入っている脳卒中。
脳の病気ですから、できれば自分もなりたくないし、家族にもなってほしくないですよね。
第一回目の今回は、脳卒中とはどんなものかについてみていきたいと思います。
【脳卒中とは】
脳の病気と聞くと、ぱっと思い浮かぶのが「脳梗塞」ではないでしょうか。
これは脳血管が詰まって血流がそこで滞ってしまう疾患をさします。
一方、「脳卒中」とはこれよりも大きなくくりです。
大きく分けると、脳卒中は、
①血管が詰まってしまうことによっておこる「虚血性脳卒中」
②血管が破れて血液が流れ出てしまうことによっておこる「出血性脳卒中」
の二つにわかれます。
虚血性脳卒中の中には、有名な「脳梗塞」があり、出血性脳卒中の中には、「脳出血」や「くも膜下出血」があります。
ご存知のように、脳とは私たちの体にとって大変大切なものです。
脳にこのような異常がおこってしまうと、普段なにげなくおこなっている、歩く、コップを持ってお茶を飲む、テレビを見る、人と喋るなどという簡単な動作でさえできなくなってしまう可能性があります。
脳にある多くの神経細胞が、全身の機能をつかさどっているからです。
脳に脳梗塞や脳出血などの異常がおこった場合、体の麻痺やしびれがおこり、後遺症が残ってしまう可能性も高いので注意が必要です。
【脳梗塞の増加】
脳卒中の患者は増えてきています。
脳卒中の中でも、脳出血は高血圧の予防などが功を奏してか以前よりも下がってきているようなのですが、脳梗塞のほうが代わりに上がってきており、脳卒中全体の75%以上になるのだとか。
食生活の欧米化による変化や、肥満が増え、生活習慣病が多くなってきたようなことも原因の一つだと考えられています。
また、脳卒中は高齢者に多いため、高齢化が進むにつれて発症する人数が多くなってきているのかもしれませんね。
【脳卒中と間違われやすい病気】
一方、脳卒中かと思っていたら違ったということもたまにあるようです。
よく似た症状がおこりやすい病気をご紹介しておきたいと思います。
①脳腫瘍
脳に腫瘍ができ大きくなってくる病気です。腫瘍が圧迫することによって、脳卒中のような症状がおこることがあります。ただ、徐々に進行することが多いため、急激な症状の変化が起こった場合には脳卒中の場合が多いようです。
②アダムス・ストークス症候群
不整脈が原因でめまい、失神などがおこります。こちらは心電図で検査することによって判別できます。
③慢性硬膜下血腫
頭をぶつけたりしたときには要注意です。脳の硬膜のあたりの血管が破れて脳と硬膜の間に血液がたまります。徐々に症状がでますので、脳卒中と区別するためには詳しい検査が必要です。
他にもたくさんありますので、ちょっとでもおかしいなと思った時には病院に行くようにしたいものです。
次回は、脳梗塞をタイプ別でご紹介していきたいと思います。
脳梗塞も原因によってタイプがあることをご存知でしょうか。次回に詳しくみていきましょう。
(Photo by Ashinari http://www.ashinari.com/ )