1.外国人技能実習制度における「監理団体」とは?
外国人実習制度で技能実習生を受け入れる場合、ほとんどの中小企業では、監理団体型を選択することになります。
この章では、あらためて監理団体について詳細にお伝えしたいと思います。
自社で受け入れを行うのということは業界最大手クラスしか不可能なので、ほとんどの企業は監理団体を通して行うことになります。
監理団体は、商工会、公益法人、農魚業協同組合や企業団体などで、営利目的の団体は受け入れ事業を行うことはできません。
監理団体は、その責任と監理の下で技能実習生を受入れ、実習実施機関である各企業において技能実習が適正に実施されているかの確認と指導をしていくことがその役割です。
■受入れ業務をおこなえる監理団体には、下記のような団体があります。
1.事業協同組合(中小企業団体)
2.商工会議所、商工会
3.農業協同組合、漁業協同組合
4.公益社団法人、公益財団法人
5.職業訓練法人
6.法務大臣が告示をもって定める監理団体
■監理団体たる要件
監理団体として企業の支援のために技能実習生を迎えるには、入国管理法で定められた要件を満たしている必要があります。
1. 国、地方公共団体などから資金その他の援助及び指導を受けて技能実習が運営されること
2. 3ヶ月に1回以上役員による実習実施機関に対する監査等を行うこと
3. 技能実習生に対する相談体制を確保していること
4. 技能実習1号の技能実習計画を適正に作成すること
5. 技能実習1号の期間中、1ヶ月に1回以上役職員による実習実施機関に対する訪問指導を行うこと
6.技能実習生の入国直後に、次の科目についての講習(座学で、見学を含む。)を「技能実習1号ロ」活動予定時間の6分の1以上の時間(海外で1月以上かつ160時間以上の事前講習を実施している場合は、12分の1以上)実施すること。
a.日本語
b. 日本での生活一般に関する知識
c.入管法、労働基準法等技能実習生の法的保護に必要な情報
d. 円滑な技能等の修得に資する知識 なお、上記cの講義は、専門的知識を有する外部講師が行うこととされています。
7.その他にもいくつかの要件を満たしている必要があります。
2.監理団体の役割について
団体監理型の受入れにおいては、技能実習は「監理団体」の「責任及び監理」 の下に行われます。
監理団体とは、技能実習生の技能等を修得する活動の監理を行う営利を目的としない団体をいい、団体要件を満たした団体が該当します。故に「営業行為が禁止され団体の会員のみに限定されるのです。」
入国管理法上、監理団体には、技能実習生を受け入れて知識を修得させるととも に、技能実習を監理(「技能実習1号ロ」については監理団体自ら策定した技能 実習計画に基づいて技能実習を監理)することが求められています。
主な役割は次の3つです。
① 監理
技能実習生を受け入れる団体が、技能 実習を実施する各企業等において、技能実習計画に基づいて適正に技能実習が 実施されているか否かについて、その実施状況を確認し、適正な実施について 企業等を指導すること
② 技能実習制度の趣旨の理解と周知
技能実習制度の趣旨が、「人づくり」という国際協力、国際貢 献にあることを理解し、実習実施機関や技能実習生の送出し機関に周知して、 技能実習生を安価な労働力と考えている実習実施機関や送出し機関が技能実習 制度に参入することを防ぐこと
③ 監査・報告
3か月に1度の定期監査を行い、実習生1号については1が月に1回の定期巡回にて実習実施機関に対し監査を行い、その結果を地方入国管理局に対して報告しなければならない
3.良い監理団体とはどういうものか
良い監理団体というのは決して便利な団体のことではありません。
外国人技能実習生制度を正しく理解して、受入企業の皆様に正しい制度運用を促す、いわば国の代わりに企業をお手伝いする立場の団体と第三者機関と言えます。
つまり、企業に都合のよいように法律を解釈したり、抜け道を探す行為や企業に対して積極的な営業行為を行うことはありません。
もし監理団体が、法の抜け道を指南するようなコンサルティングなどの行為を行った場合は、悪質な違法行為が発覚すれば即座に不成行為認定、または受け入れ停止になります。
そうなると、その団体が監理していた他の会員の企業は他の監理団体を探さねばならず、大きな混乱をきたします。
大手企業も外国人技能実習制度を活用している昨今、こうした行為は社会的に大きな問題となります。
つまり、良い監理団体とは企業にとって都合のよい団体ではなく、「企業が制度を正しく運用するために、言いにくいことも指摘してくれる」そんな団体ではないでしょうか。
監理団体には、そうした絶対の責任が存在しているので、当然の指摘であり、発言なのです。
もし、そのように言わないのであれば、それは「知識経験がまったくない担当」または、「売上最優先のインチキ団体」なのではないでしょうか?
他の会員企業様に及ぼす影響を考えたらとてもそのような暴走はできないはずです。。。
逆にいいますと、悪い監理団体を定義しますと。。。。「企業様の立場に立って柔軟に対応します」的な発言や、「私たちに任せてください」的なコンサルティングのような発言をする団体や組合は要注意です。
危ない監理団体の特長・・・・管理費が安い、本部と遠い県などで営業している、得意な職種が見えない、情報公開がされていない、他の外国人紹介と混在して営業してくる等。
★受け入れ体制を作り、維持していくのは、企業様しかできない事なのです。
この部分が理解されにくいと思われる方は、どうか厚労省または入国管理局のサイトを調べたり、相談する。またはアセスメントなどで学習いただけるとよろしいかと存じます。
4.監理団体の探し方・比較の仕方
監理団体を探すには下記の検索ページが便利です。
https://xn--gmq73cz2bl1hy2cfv2age6bnua.com/archives/12
監理団体の探し方は主に地域と業種から探すことになります。
貴社の業種は外国人技能実習生制度の指定職種に含まれていることは確認済みでしょうから、その職種が得意な団体を探すこととなります。
また、貴社の地元の団体ですと面接や技能実習生の呼び寄せ等の交通手段に通じていたり、現地の送り出し機関とのパイプが深かったりしますので、よく確認してみてください。
特に、いくつかの職種では、地元産業の職種に特化した高い実績をもつ協同組合や団体様などもあります。
また逆に、地元には地元産業に特化した団体や協同組合しかないので、やむなく他県からというのも選択史にはなるかと思います。
業種によっては、素晴らしい施設と設備で技能実習生を事前にトレーニングしてから配属させてくれる監理団体と送出し機関が存在しています。
そういった団体や組合様については、読者の皆様から情報をいただけましたら、私たちでインタビューをさせていただきサイト上でご紹介していけるように体制を整えていきたいと思っています。
外国人技能実習制度や監理団体~社会保険、労働保険の仕組み~のことならお気軽にご相談下さい。