電子機器を扱う仕事に就いていた時、外国人技能実習生の立場で働く外国人労働者がいました。
工場は主にラインでの簡単作業だったのですが、一人だけ作業の注意点を教えられていなかったと大騒ぎになりました。
ある品番の商品の中に、一つだけ異なる品番が紛れ込み、その外国人技能実習生は気付いたのですが、そのまま流してしまいました。
当然ラインの作業員は注意をしたのですが、なぜかぜんぜん聞く耳を持たずに受け入れない態度なのです。
「私、言われた通り作業しています」と繰り返すだけでした。
上司は、その外国人労働者に、大きな声で「常識ですよね!」と言うと、耐えられず帰ってしまいました。
会社はそのまま稼働を続け、外国人労働者は、早退の扱いになりました。
私の経験では南米系の外国人労働者だけでなく、アジアや諸外国の外国人労働者はとてもプライドが高いなという感覚です。
侮辱されたと感じたことで、その場を離れたいと思ったのだと翌日聞きました。
日本人でも、そこは理解できたのですが、「絶対に許さない」と言う言葉を聞いた時は、私は、びっくりしました。
日本人は、上司に対して謝罪を求めることはないですが、その彼は、謝罪を求めるのです。。。
彼に、どうやって上司との関係を正常化できるのか分からず、私はお手上げでした。
翌日、彼は前日のことを謝罪することなく、同じラインで作業を続けました。
上司は、それに対して何も言わず、普通に接しました。
上司としても注意したいところなのでしょうけど、昨日ラインを随分と止めてしまったことで、時間のむだになってしまったことを気にしたようです。
工場のライン作業では、前後の作業員もフォローをすることが普通です。
しかし、ライン作業の現場では、人事評価制度も確立してしまっているため一人一人が自分の目標を抱えているので、自分のラインに無関係な人を助けることはしません。
冷たいように感じますが、それが現実です。実際、この外国人労働者が作業中に出て行った時も、追う人はいませんでした。
面白いなぁと思ったのは、外国人だからという偏見は、日本人の方が持っているのかも知れません。
日本人は、外国人に関わらず、他県から来た方をよそ者と呼ぶこともあり、外国人に対してもその気持ちがふと出てくるのかも知れないと感じました。
彼らのほうからすると、日本人に日本人が接するように同じように接してもらいたいという気持ちが大きいようです。
実際に、仕事の時間以外では、どことなく日本人から敬遠されてしまう傾向があると本人たちから指摘されてきがつきました。
彼らは単独で始めての国に来ているので、精神的にも孤立しやすいし、日本人側からオープンに、フェアにという態度と行動をしてあげないと苦しんでいるようでした。
彼ら自身も仕事中はフェアになりたいという気持ちが強いと感じ、日本人とは違った方法で主張してきます。
なので、プライドを傷つけつような態度や制度は仕組みで変化させてでも絶対に避けるべきだと思いようになりました。
東北のある村で、「おめえ、バカだなあ」と外国人労働者に親しみを込めて言ったところ、辞められてしまったことがニュースになったことがありました。
外国人労働者の中でもアジア系の外国人労働者は、日本語はとても上手で理解している範囲も広いです。なので彼らは、とても注意深く聞いています。
ニュアンスよりも言葉で判断してしまうので、すぐに侮辱された、叱られたと判断します。
外国人労働者に対する日本人の接し方も、見直しが必要かもしれません。
・採用の前に徹底的に職場や業界のルールなどを教育したり誓約させておくことが大事だとおもいました。
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