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お酒は楽しくたしなむ程度が最適!こわいアルコール性神経障害

(イラスト:いらすとや)

 

アルコール性神経障害は良く耳にする病名です。

良く皆さんは、「お酒が悪い」と思われがちですが、お酒そのものというよりもアルコールの毒性といっしょに起こるビタミンの欠乏が原因とされています。

よく、アルコール依存症の人はお酒の飲む量が多く、日本酒換算して一日5合、ビールで5本以上は飲みます。

このような時は、食事がバランス良く撮ることができていないというのが原因になってきます。

ビタミンB1・B6・B12が特に不足がちになります。

この中でビタミンB1が一番アルコールによってなくなっていきます。

その理由はアルコールの代謝にビタミンB1がいちばんよく使われるからです。

そのため慢性的にビタミンB1欠乏症となるわけです。

このことから、ビタミン欠乏症の障害が神経系統のいろいろなところから出てくるわけです。

<症状はどういうもの?>

アルコール性神経障害はいろいろな種類があります。

アルコール性末しょう神経障害は、手足の末梢にしびれや痛み・脱力感・筋委縮などが現れます。

ウェルニッケ脳症は、無欲状態になり、眼球運動障害という眼があまり動かなくなる障害が出てきます。

眼振という眼がリズミカルに動く、失調性歩行の酔ったようにふらふら歩くなどが起こります。

アルコール性小脳失調症は、一か月以上大量の飲酒をしていると、特に両足のバランスがとれなくなり、フラフラして歩行困難に陥ります。

アルコールを止めると手が震えたり、せん妄といって意識の障害によって、集中力の低下や錯覚を起こす状態になってしまいます。

これは明らかに禁断症状で、「しんせんせん妄」と言われています。

飲酒をやめて一日から二日すると、体内からアルコール成分が抜けていき、けいれん発作が起こることもあります。

またアルコールを多めに飲むと、歩行が不安定になるので、頭部などの怪我も起こりやすくなります。

このように、アルコールによっていろいろな障害が起こってきます。

お酒は楽しくたしなむ程度が最適!こわいアルコール性神経障害2

<検査や治療方法はどうなるの?>

まず、検査ですが問診をしてお酒を飲む量が多ければ、末梢血検査・肝機能検査・血中ビタミンレベル・末梢神経伝導検査・脳のMRIなど検査をします。

これらの検査を通して、アルコールまたはビタミン欠乏症などの疾患が起こっていないかどうかを調べます。

さて、治療方法ですが、まず当たり前のことですが、飲酒を止めさせます。

それからビタミンB1・B6・B12を補給すればいいのですが、急性期という時期があり、この時期の胃はアルコール性の胃炎が起こっているため、吸収が悪く、特にウェルニッケ脳症では、救急処置としてビタミンB1を500㎎という大量に一週間ほど注射で投与します。

このことで、眼球運動障害や眼振は二日ほどで良くなってきます。

その後、飲むビタミンB複合体を一か月ほど投与します。

こうすることによって、アルコール多飲と栄養障害のために体内で不足していたビタミンが補給されることになります。

それからはバランスのとれた食事を勧めていきます。

精神的な不安を取るために、主治医に相談相手になってもらうことが必要になってきます。

実はアルコールをよく飲む人の中には、家庭や仕事の上で問題を抱えている人が少なくありません。

ですから、よく話を聞いてあげることが必要となってきます。

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