(イラスト:いらすとや)
<自己免疫性肝炎の検査とはどういうもの?>
慢性肝炎の原因は様々です。
主には、肝炎ウィルスによるウィルス性肝炎、そしてアルコールによるアルコール性肝炎
薬による薬物性肝炎(薬剤起因性肝障害)また、自己免疫機序による自己免疫性肝炎の疑いが持たれます。
これら、ウィルス性肝炎・アルコール性肝炎・薬物性肝炎また脂肪肝などのどれでもない場合は、自己免疫性肝炎が疑われます。
自己免疫性肝疾患とは、肝細胞や胆管細胞に対する自己免疫反応によって、細胞の障害が起こる疾患なのです。
自己免疫性肝炎・原発性胆汁性肝硬変などがよくしられているものです。
(イラスト:いらすとや)
AIHやPBCは、適切な処置を行うと予後の良い病気ですので、的確に診断をして適切な治療をすることが必要となってきます。
AIHとは自己免疫性肝炎をいい、PBCとは原発性胆汁性肝硬変をいいます。
それではそれぞれに、具体的にお話をしていきましょう。
AIHでは、血清中のAST・ALTの上昇、IgGが上がるのが特徴なのです。
抗核抗体・抗平滑筋抗体・肝腎ミクロゾーム抗体などのいろいろな自己抗体が血清中に表れます。
これらのものは、診断の材料としては有用で、出てくる自己抗体が血清中に表れます。
これら、表れたものは診断の指標として有用であり、出てくる自己抗体の種類に基づく
AIH分類もされているのが現状です。
抗核抗体は、もっとも頻度が高く出現してきます。
しかし全身性エリテマトーデス(SLE)などほかの自己免疫疾患などでも非常に高い確率で表れます。
そのため、抗核抗体陽性だからといっても、AIHとは判断されません。抗平滑筋抗体は、ウィルス性慢性肝炎でも検出されています。
しかし、普通SLEでは検出されないために、SLEに合併した肝障害とAIHとの区別に有用なのです。
抗KLM-1という抗体は、Ⅱ型AIHの人に特異的に出るため、Ⅱ型AIHの診断に有用なのです。
ところが、PBCでは、血清中ALP、総コレステロールなどの上昇が見られました。
自己抗体では、抗ミトコンドリア抗体が特異的でありかつ確率が高く検出されます。
(イラスト:いらすとや)
抗ミトコンドリアの抗体の対応抗体は、M1~M9の亜型にぶんるいされます。
そして、もっともPBCに特異的で頻度が多くみられるのは、抗体がM2抗体です。
抗核抗体そして抗セントロメア抗体は、無症候性PBCで高い確率で、検出されています。
さて、ムズガシイ話が続きましたが、自分が自己免疫性肝炎だと気が付いたらどうしたらよいのでしょうか?
それは、とにかく早期治療と早期診断が基本です。
全身に倦怠感を感じる時、皮膚や目に黄疸が出たりしたりしているときは、血液検査になります。
そこで肝障害が認められたら、肝臓の専門医または、消化器病専門医を受けることをお勧めします。