ベトナム実習生が失踪するという件について法務省へ取材しました。
働きながら技術を学ぶ「技能実習制度」で来日した外国人の失踪が昨年5800人を超え、過去最多に上ったことが平成28年11月30日、法務省への取材で分かりました。
全体の約半分が中国人で、ベトナム人は2番目に多いとのことです。多くが不法滞在となっているとみられ、国内の治安にも影響を与えかねないことから、捜査当局は警戒を強めているとのことです。
法務省によると、昨年失踪した技能実習生は5803人で、これまで最も多かった一昨年の4847人を約千人上回った。失踪者数は23年に1534人だったが年々増加しており、5年間で4倍弱となった。
2015の失踪者を国別にみると、中国が3116人で最も多く、ベトナム(1705人)、ミャンマー(336人)と続いた。JITCOへの届け出数でみるとベトナム実習生の失踪は2014年には※787人で、1705人という結果は衝撃的と言えます。
※JITCO統計は技能実習生2号のみの数字です。
JITCOの発表する技能実習生人数の推移についてはこちら
失踪後の行方については、多くは不法残留者となり建設現場などで違法に就労しているケースが見受けられます。
なぜベトナム実習生たちが失踪してしまうのかについては2つの側面があると思われます。
1つは、受入企業の問題です。
受け入れ企業の多くは「外国人技能実習制度」を外国人を安く雇用する魔法の法律と勘違いしています。もしくは本質は違うけれども実態はそうでしょ、とおっしゃいます。
ゆえに、低賃金での労働環境が生まれ、脱走して、より高い賃金を求める構造になります。
2通目は、送り出し機関の問題です。
ベトナム実習生たちが日本に来る場合、現地で日本語教育を受けなければなりません。それには当然お金がかかります。
貧乏で学ぶお金もないベトナム人は送り出し機関に借金をして日本に来るケースもあります。
つまり、彼らは稼がなければいけないのです。日本に来さえすれば、稼げると思っていたのに・・・というのがあるようです。
そこにつけこむのが失踪を手助けするブローカーの存在と言われています。
ベトナム実習生の寂しさや稼げない焦りにつけこんで、言葉巧みに誘うのです。
そこからベトナム実習生たちが犯罪に加担してしまうケースも多いので、何とかして防ぎたいものです。
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