技能実習生人数の推移について
技能実習生人数の推移について公益財団法人国際研修協力機構(以下「JITCO」という。)がまとめた資料を基に紹介します。
新規入国者と技能実習生人数の関係や在留者数との関係、技能実習生の行方不明者数などをまとめています。
新規入国者数と技能実習生人数と研修生人数
最近の新規の入国者数はほぼ横ばいから、2011年に東日本大震災の影響で激減し、その後急激に増えています。
その中で技能実習生の人数(研修生含む)はリーマンショック後の2008年に減少したものの緩やかに回復してきています。
全体の入国者数の増加に比べれば、技能実習生の人数の推移は緩やかに感じられるかもしれません。
外国人在留者数と技能実習生人数と研修生人数
外国人在留者数は212万人程度で横ばいが続いています。
技能実習生人数は2008年のリーマンショックで一旦は激減しますが、2011年より徐々に増えています。
今後、リーマンショック以前の技能実習生の人数を超えて、新しい局面をむかえることになります。
技能実習生の行方不明者人数 等
不法残留者数
法務省入国管理局の資料によると2005年 1 月 1 日時点の不法残留者数は 60,007 人(前年比 1.6%増)でした。
その中で偽の実習生の人数は4,679人(全体の 7.8%)でした。これが増えないように法律を中心に制度の理解と関係者のモラルが問われていきます。
在留資格別不法残留者数の内訳
- 「短期滞在」が 41,090 人(全体の 70.1%)
- 「留学」2,806 人(全体の 4.7 %)
- 「研修」336 人(全体の 0.6%)
- 「技能実習」4,679 人(全体の 7.8%)
在留資格別不法残留者数の推移
2011年以降の技能実習生の入国の人数、在留の人数に合わせて、技能実習生の不法在留者数も増えているのがわかります。
留学や興行が減っていることから、違法な手段で不法在留者になる方法が変わってきているのかもしれません。
技能実習2号の行方不明者人数
主 な国籍別の内訳
- 中国 1,902 人(全体の 60.6%)
- ベトナム 787 人(全体の 25.1%)
- インドネシア 200 人(全体の 6.4%)
まとめ
技能実習生の人数が増えることで懸念されている様々なことがあると思いますが、日本の外国人政策は「受入」の方向に向かっています。
その中で技能実習生は数少ない人数増加の施策であることから、目立ってきています。
ゆえに、事件や事故などが起きると、批判や拒絶論が大きくなりがちですが、技能実習生の中の約半数が中国から来ていることを考えれば、この構造も変わるかもしれません。
中国の場合、その経済発展から日本へくる理由が「労働」ではなくなりつつあります。代わりにベトナムやインドネシアなどから介護を学びに来日する人たちが増えるかもしれません。