介護食は、私達が毎日食べているご飯とは違います。
食べてもらう人に美味しく感じてほしいと思うところまでは同じですが、食べる人にあった配慮をする点で違いがでてきます。
そんな介護食を美味しく食べてもらうためのコツについて話していきます。
おいしく食べてもらうには?
・障害や状態によって食べやすい食事にする
噛み砕きやすいように柔らかく煮るとか、水気で咽てしまうのであれば片栗粉などでトロミをつけるなど、確かに食事を作る時の工夫も大切です。しかし、自宅で作る介護食というのは、老人ホームなどの施設で作るようにマニュアルに沿って誰でも一律に作れるものではありませんので、その人にあった食事をつくることが重要です。
前編の「コツその1」でも述べましたが、失われた機能によって食事が食べづらくなっています。例えば、噛み砕く力が弱くなってしまったからやわらかく煮る、などは対処法の一つです。
ただ、噛み砕く力が無くなってしまったからと言って、最初から細かく刻んでおく、いわゆる「キザミ食」と呼ばれるものは、対処法にならないことがあります。
なぜなら、細かく刻んだ食材というのは余計にしっかり噛むことが出来ないので、その状態のまま飲みこもうとすると、水分と同じように気管に入りやすくなるだけだからです。
ですから、お口の中の、或いはそれに関わるどんな機能に障害が出てしまっているから、それを補うためにはどのような食事の形や状態にすれば良いのか、ということにアプローチしていくことが、美味しい介護食のコツの一つといえます。
もちろんこれは、歯科医など専門家に診てもらわなければなりませんので、受診や往診が必要となります。しかしこれを行えば、今まで全部、或いはかなりの食材を刻んだりミキサーにかけたりしていた手間が、かなり減らせることが出来るかもしれません。
そうすれば、食べる方にも準備する方にも、より「美味しい介護食」に近づくことが出来るかもしれません。
・好きな物も工夫する
介護の世界では、例えばお茶では絶対に咽る人がコーヒーでは咽ない、ということが当たり前にあります。無類のコーヒー好きの方が要介護状態になった場合などは、結構このパターンです。また、お味噌汁も同じような現象が起きます。
この場合、水分は咽るからといってコーヒーにもトロミを付けてしまったとしたら、どうでしょうか。トロミ付きのコーヒーやビール、また日本酒など程美味しくないものはありません。
このように、本人が大好きだったものを〝咽て危ないから…〟というような理由で食べさせない、或いは何かの手を加えてまずくさせてしまうことによって本人から奪ってしまえば、食事というものに対して夢や希望もなくなってしまいます。
ですから、本人が好きなものは多少の無理があっても続ける方法をなんとか模索することによって「美味しい介護食」へとつなげることが出来るということを覚えておきましょう。
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