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外国人技能実習生が起こす事故・事件について

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2.実際に起こった事件例

2013年3月、このような事件が報道されました。

広島県のカキ養殖会社で、包丁やスコップで8人が襲われ2人が死亡した事件で、殺人の疑いで逮捕された中国人技能実習生の男が「自由がなかった」と供述していることが、警察への取材でわかりました。

病院から19日退院した中国人技能実習生、陳双喜容疑者(30)は、広島県江田島市のカキ養殖会社で、社長の川口信行さんの胸を包丁で突き刺すなどして殺害したとして、改めて逮捕されています。

取り調べに対し、陳容疑者は容疑を認め、「殺すつもりだった」と供述しているということです。また、犯行の動機について「自由がなかった」と供述し、これまでに謝罪の言葉はないということです。

一方、川口さんの友人によりますと、事件の10日前には、川口さんの計らいで、5月に中国に帰る陳容疑者の慰労会が開かれ、陳容疑者は感謝の言葉を述べるなど喜んでいたということです。警察は詳しい動機や犯行のいきさつについて調べを進めています。

 

また、2015年8月には

同僚のベトナム人を包丁で殺害しようとしたとして、高松南署は22日、ベトナム国籍の溶接工、ブー・バン・マイ容疑者(26)=高松市香川町大野=を殺人未遂の疑いで逮捕した。容疑を認めているという。

逮捕容疑は21日午後9時20分ごろ、自宅の社員寮で、同僚のベトナム人男性(27)と口論になり、中華包丁(刃体の長さ17・5センチ)で切りつけ、左首に全治1カ月の切り傷を負わせるなどした、としている。

高松南署によると、2人は技能実習生。包丁は社員寮台所にあったものだという。

 

このような事件が報道されています。
このような痛ましい事件は外国人に限らず、他人と一緒に働く以上「思いやり溢れる職場」の実現でしか防げないのかもしれません。

 

2016.06.07

実習生に不法就労あっせん、男3人逮捕
技能実習生の2人を指定された実習先ではない工場で働かせたとして、中国籍の男3人が6日、出入国管理及び難民認定法違反の疑いで逮捕された。逮捕されたのは、中国籍の無職・顧連和(28)、鄭明亮(26)、鄭暁路(38)の3容疑者。警察の調べによると、3人は今年2月、中国籍の技能実習生の男女2人を指定された実習先ではない愛知県尾張旭市の工場へ紹介し、不法な就労をあっせんした疑いがもたれている。顧容疑者などが管理していたとされる口座には、実習生2人から紹介料などとみられる十数万円が振り込まれていた。調べに対し、顧容疑者は「間違いない」などと容疑を認めているが、2人は否認しているという。
警察は、3人が中国籍の知人に仕事を紹介し、報酬を得ていたとみて余罪を追及している。

この事件は「思ったより稼げない」という心理を犯罪グループにつけこまれた例です。

 

2016.06.19

偽造カードでたばこ大量購入 容疑者ら、中国に転売か
偽造クレジットカードでたばこを大量購入した詐欺などの疑いで、日本人と中国人の計10人が大阪府警に逮捕され、一部が起訴されたことが捜査関係者への取材でわかった。大阪、愛知、岡山など5府県のコンビニエンスストアで数百万円分を買い、中国向けに売却したとみられる。メンバーは「日本のたばこは中国で人気」と話しているという。
起訴状によると、指示役の大阪市平野区の無職武村斉星(さいせい)被告(33)や、岐阜県美濃加茂市の無職陳涵(チェンハン)被告(21)らは昨年5~7月、偽造カードでたばこ約400カートン(200万円相当)を購入したとされる。
捜査関係者によると、他の8人は中国人留学生や技能実習生らで、インターネットのソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)を通じて知り合い、ネット経由で中国から、米国のカード会社から流出したとみられるカード番号などの個人情報を磁気データで購入した。パソコンと専用ソフトで、別に入手した中国の銀行のカードにデータを書き込み、偽造カード十数枚を作成。車で5府県のコンビニ約30店舗を回り、たばこを買い込んだ。
ログイン前の続き事前に複数の種類のコンビニでカードを試し、うまくいった店舗を集中的に狙ったという。たばこは国際スピード郵便(EMS)で中国に送ったとみられる。日本の定価の半額程度の金がネットを通じて中国からグループの1人の銀行口座に送金されており、仲間で分け合ったとされる。
グループの一部は、武村被告の逮捕後も、日本のカード会社の情報でつくった偽造カードでタブレット端末やカメラなど数百万円分を購入した疑いがあり、府警が裏付けを進めている。
■消費増、人気の日本製
米国の研究機関によると、中国国内のたばこ消費量はここ30年で約2倍に増え、2013年は2兆3600億本。欧州の調査会社のデータでは、14年の世界のたばこ消費の44%を中国が占めるとされている。
中国の社会事情に詳しいジャーナリストの富坂聡・拓殖大教授は「消費増は農村部などでの所得向上が原因と考えられる。中でも日本製たばこは質が高いと人気で、贈り物としても価値がある」と話す。「爆買い」でもたばこは人気商品。大阪・ミナミで120年以上続くたばこ店を営む女性(60)によると、3~4年前から中国人の客が数十倍に急増。「多い日には100人以上が来店し、10カートンほどをまとめて購入する客もいる」という。
中国は国営企業を通じてたばこの輸入を管理している。日本たばこ産業(JT)によると、日本国内の免税品店の販売を加えた中国への販売数量は過去10年、30億本台でほぼ横ばい。富坂氏は「需要が高い日本のたばこは換金も容易で偽物も出回っている」と、今回の事件の背景を説いた。

SNSによる外部との接触は避けられない世の中となっています。スマホを取り上げる等の行為は人権侵害と言われかねません。また、スマホのおかげでホームシックによるメンタルの病気も減ったという報告もあります。

外国人技能実習制度の問題点を把握し、きちんと運用して事故などの無い職場のある担当者は「SNSの情報による悪い誘いから実習生を守るには、やはり生活指導員を中心にした職場の温かい人間関係しかない。」といっています。

 

2016.06.27

スーツケース遺体「女性と内縁だった」 不法滞在の男
東京都品川区の京浜運河で先月、スーツケースに入った女性の遺体が見つかった事件で、不法滞在をしていたとして逮捕された30代の男が「女性のことを知っている」と話していることがわかった。警視庁は、事件について何らかの事情を知っているとみて調べる。
女性は中国籍の職業不詳楊梅(ヤンメイ)さん(34)。先月27日に遺体で発見された。死後1週間程度たっていた。捜査関係者によると、男は今月警視庁に出頭し、入管難民法違反容疑で逮捕された。楊さんについて「内縁関係だった」と供述しているという。
楊さんは2013年9月に中国から技能実習生として来日。京都府内の勤務先の寮で暮らしていたが、14年3月から行方が分からなくなっていた。

異性関係から犯罪に巻き込まれるケースもよくあります。これも異国での寂しさからくるものではないでしょうか。3年~5年は仕事を楽しみ、職場を愛する、そんな職場環境づくりしかお国の親御さんから彼らを預かる我々にとって、出来ることはないのかもしれません。

次ページでは、なぜ事件や事故は起きるのか?
そして、予防するためにできることを2つの視点で見てみましょう。

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