皆さんは「デノスマブ」と言う薬品を知っていますか?
この薬品は現在、骨粗鬆症に陥っている患者さんを救う薬品として注目されています。
しかし「聴いた事が無い薬品だけど大丈夫?」「本当に骨粗鬆症に効果があるの?」と思いますよね?
そこで今回、デノスマブの詳細と効果について紹介していきます。
■1:デノスマブはどんな薬品?効果は?
骨もお肌と同じように新陳代謝を繰り返して丈夫な骨になっていきます。
この時、古いカルシウムを含めてカルシウムを溶かすのが「破骨細胞」になります。
若い時は新陳代謝が激しく、牛乳等でカルシウムを摂取しているためカルシウムを溶かしても、新しいカルシウムですぐに補強します。
一方、年齢を重ねると新陳代謝の際に破骨細胞の動きが活発化して、溶かす必要の無いカルシウムまで溶かしていきます。
そこでデノスマブを使用すると破骨細胞の動きをストップさせる事ができるのです。
詳しく見ていきますと、破骨細胞を作り出すのは「RANKリガンド」が形成から量の調整まで行っています。
つまりRANKリガンドが多ければ多いほど、破骨細胞が活性化する環境を整えてしまうのです。そこにデノスマブの薬品を使用すると、RANKリガンドの活動が鈍り破骨細胞の動きがストップします。
そうする事でカルシウムを溶かす破骨細胞を抑制し、骨を育てる環境を整える事で骨粗鬆症を防ぐ事ができるのです。
■2:デノスマブより前には骨粗鬆症を予防する薬品は無かったの?
デノスマブが骨粗鬆症に効果のある薬品第1号と言うわけではありません。
デノスマブ以前に「ビスフォスフォネート」と言う薬品が使用されていました。
この薬品は同じく破骨細胞を抑制し、骨を育てる環境を提供するデノスマブと同じ効果を持っていました。
しかし「継続利用」の点で安全性が確立されていないと言う問題が発生しました。
例えば継続利用していくと「病的骨折」「薬剤との併用による副作用」等、多数のデメリットが出てきました。
そして何よりビスフォスフォネートは「骨の表面を一時的にコーティングして破骨細胞を侵入させない」に対してデノスマブは「破骨細胞自体の働きを抑制して数を減らす」のです。
そのため現在でもビスフォスフォネートは使用されていますが、デノスマブの機会の方が増えているのです。
いかがでしたでしょうか?
現在、骨粗鬆症を防ぐために食事療法や運動も必要ですが、薬品と言う手段まで出てきました。
特に運動が厳しい高齢者にとっては薬品治療による骨粗鬆症予防は選択肢の一つとして脚光を浴びています。
もし興味を持たれた人がいましたら、掛かりつけの病院で相談すると良いでしょう。
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