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「原発性胆汁性肝硬変」という肝臓の病気をご存じですか?

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「原発性胆汁性肝硬変」という肝臓の病気をご存じですか?

(イラスト:いらすとや)

原発性胆汁性肝硬変についてお話する前に、肝臓の仕組みを説明しましょう。

肝臓には肝細胞で成り立っている毛細胆管というものがあり、これにはじまり細胆管を経て門脈域にある、小葉間胆管に続いてくっついています。

更にこれが集まって、太い管である隔壁胆管になって、肝管に続いています。

肝門部では左右の肝管が合流して、総肝管となって肝外胆管に移動していき総胆管へとつながっているわけです。

さて、この原発性胆汁性肝硬変、通称PBCといわれていますが、この原発性胆汁性肝硬変は、どちらかというと中年の女性が発症することが多い特徴的な病気なのです。

これは、肝臓の中の小葉間胆管から隔壁胆管にかけての部分が、自己免疫のメカニズムによって、次第に破壊され、胆汁の流れが悪くなり、その結果的に慢性肝内胆汁のうっ滞、つまり慢性非化膿性破壊性胆管炎が起こって、最後には肝硬変へと進んでいく病気です。

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(イラスト:いらすとや)

<肝硬変になっていない人がほとんど?>

原発性胆汁性肝硬変という名前は、病気の最後の状態を示したものであり、最初から肝硬変ではじまるわけではないので、誤解をしないようにしてください。

実際に、ほとんどは肝硬変になる前に診断されている状態なので、原発性胆汁性肝硬変と診断されたとしても、肝硬変になっていない人がほとんどですので安心してもいいと思います。

<原発性胆汁性肝硬変の原因って何?>

この病気の特徴である胆管の破壊は、胆管上皮細胞を標的とした自己免疫反応が関係しているとかんがえられています。

残念なことに、その症状が完全に解明されているわけではありません。

ただ、それぞれの自己抗体が陽性で、時にはほかの臓器の自己免疫性疾患を合併するなどの自己免疫性疾患(膠原病)としての特徴を持っています。

このほかの臓器の自己免疫性疾患とは、例えばシェーグレーン症候群や慢性甲状腺炎・関節リュウマチなどです。

原発性胆汁肝硬変は、母子・姉妹で発症例の報告があり、その発症にはなんらかの遺伝的な要因の関与が推定されているのが現実です。

ここ最近、小葉間胆管または隔壁胆管における主要な組織適合性複合体の異常な表出と細胞障害性のT細胞の働き、そして抗ミトコンドリア抗体の対応抗原のひとつであるピルビン酸デヒドロゲナーゼ複合体のE2成分(PDC-E2)の胆管上皮への表出と、これを的とした免疫反応などの、胆管破裂に関係する自己免疫性反応が報告されているのです。

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(イラスト:いらすとや)

 

<ではその症状の現れ方は?>

慢性の肝内胆汁うっ滞の結果は、最初の発症としては、皮膚のかゆみから始まることが多いようです。

それからは、黄疸が出てくるのが始まり、これらの症状がみられることを、「症候性原発性胆汁性肝硬変」と呼ばれています。

黄疸がいったん現れると、消えることはなく少しずつ多くなっていきます。

その他には、脂質異常症(高脂血症)に由来する皮膚の黄色種や肝腫大、そしてカルシウムとビタミンDの吸収生涯による骨粗しょう症なども発生してきます。

その反対に皮膚にかゆみや黄疸が見られない場合は、「無症候性原発性胆汁肝硬変」と診断されます。

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