外国人労働者と働く

工場での出会い

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現在32歳の女性です。私は21歳の時に工場のライン作業の仕事をしていました。私が始めて仕事に入った時に同年代の外国人労働者の方男性1人と40代の女性2人がいました。40代の女性にやり方を教えてもらい時間まで黙々と作業をし、休憩時間になったらチャイムが鳴り皆休憩に入りました。私は新人なので勝手に休憩してはいけないかなと思い周りを見渡していたら1人の外国人労働者が休憩行っていいんだよと言ってくれました。ありがとうございますと言い休憩所に入り一息ついているとさっきの外国人労働者が話しかけてきました。彼は23歳の台湾人で日本に親戚がいるようで日本語も上手でした。初めてのバイトで不安でしたし声をかけてくれたのはすごく嬉しかったです。休憩が終わり、また作業に戻りその日は疲れたなと思いつつ帰宅しました。翌日出社する時に駐車場で彼に会い、工場まで一緒に行くことになりました。歩いていると鳩が田んぼにいたのですが、ふと彼が真剣な顔で「あ、鳩だ。美味しそうだな」と言ったのです。私は聞き間違いかなと思い、「え?」と言ったら「台湾では鳩食べるんだよ、美味しいよ」と言っていました。日本人の私には鳩を食べることなんてないし平和の象徴なのにと思い複雑な気持ちになりました。仕事場では黙々と作業をするだけなのでこういう何気ない会話が楽しかったです。彼とは年が近いせいかすぐ打ち解け話しやすかったです。それまで外国人の方と話したこともなかったので新鮮な気持ちでもありました。そんなこんなで半年程過ぎ、会社の慰安旅行がありました。会社の営業、工場、運転手の全員参加で温泉旅行だったので、楽しめるか不安でしたが参加する事になりました。温泉地までは全員会社に集合しバスで行くことになっていて、工場の女性は2人一緒に座っていたので私は彼と隣同士で座ることになり、くだらない話をしつつ温泉地まで話ていました。その夜全員大広間で宴会だったのですが、彼の姿が見当たらず他の人に聞いてみるとさっき温泉のほうに行っていたよと言われ工場長が探しに行きました。10分ほど経って工場長が彼と戻ってきたのですが二人とも疲れきった顔でした。皆何事かと思い話を聞いたら彼が温泉だと思って入ったとこは温泉旅館の庭の池だったようで、彼は水が冷たいし何かおかしいなと思ったらしいのですが、他のお客さんが旅館の人に裸で池に入ってる人がいると言って慌てて従業員の方が現場に向かったようです。丁度その時に工場長が探しに行っていたので何とか許してもらえたようですが彼は恥ずかしさでその場に居れなくなりそのまま帰ってしまいました。彼は日本語は話せるのですが日本の文化についてはよく分かってなかったようでそんなことになってしまったようです。それから何回か電話とメールをしたのですが出てくれず、次の月曜日も会社に来ずにそのまま辞めてしまいました。せっかく仲良くなったのに残念でした。

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