外国人技能実習制度の仕組み
外国人技能実習制度は,国際貢献のため,開発途上国等の外国人を日本で一定期間(最長5年間)に限り受け入れ,OJTを通じて技能を移転する制度です。
(平成5年に制度創設)
技能実習生は,入国直後の講習期間以外は,雇用関係の下,労働関係法令等が適用されており,現在全国に約21万人在留している(平成28年6月末現在)
かねてより問題視されていた「違法労働」や「賃金未払い」などを受け、改正された法律により新たに「介護」が職種として追加になり、優良な受入企業には最長5年までの実習期間延長(技能実習3号の創設)が設けられた。2016施行が予定されており、監理団体の認可も厳しくなることが予測されます。
※出典:厚生労働省
技能実習制度 新機構の実務
技能実習制度の適正化
- 技能実習の基本理念及び関係者の責務規定を定めるとともに, 技能実習に関し基本方針を策定する。【第3条から第7条まで関係】
- 技能実習生ごとに作成する技能実習計画について認定制とし, 技能実習生の技能等の修得に係る評価を行うことなどの認定 の基準や認定の欠格事由のほか,報告徴収,改善命令,認定 の取消し等を規定する。【第8条から第16条まで関係】
- 実習実施者について,届出制とする。 【第17条及び第18条関係】
- 監理団体について,許可制とし,許可の基準や許可の欠格事 由のほか,遵守事項,報告徴収,改善命令,許可の取消し等を 規定する。【第23条から第45条まで関係】
- 技能実習生に対する人権侵害行為等について,禁止規定を設 け違反に対する所要の罰則を規定するとともに,技能実習生に 対する相談や情報提供,技能実習生の転籍の連絡調整等を行 うことにより,技能実習生の保護等に関する措置を講ずる。 【第46条から第51条まで関係】
- 事業所管大臣等に対する協力要請等を規定するとともに, 地域ごとに関係行政機関等による地域協議会を設置する。 【第53条から第56条まで関係】
- 外国人技能実習機構を認可法人として新設し,【第3章関係】 ・(2)の技能実習計画の認定 【第12条関係】 ・(2)の実習実施者・監理団体に報告を求め,実地に検査 【第14条関係】 ・(3)の実習実施者の届出の受理 【第18条関係】 ・(4)の監理団体の許可に関する調査 【第24条関係】 等を行わせるほか,技能実習生に対する相談・援助等を行う。 【第87条関係】
技能実習制度の拡充
優良な実習実施者・監理団体に限定して,第3号技能実習 生の受入れ(4~5年目の技能実習の実施)を可能とする。 【第2条,第9条,第23条及び第25条関係
その他
技能実習の在留資格を規定する出入国管理及び難民認 定法の改正を行うほか,所要の改正を行う。
まとめ
懸念されている外国人技能実習生問題とは受入企業が違法に低賃金に労働をさせたり、実習生が事件や事故を起こす・・・というイメージが先行していますが、実際は悪質な受入企業は監理団体ともども即刻受入停止になっています。
今回の新機構の誕生により、厚生労働省と入国管理局を統括する法務省を横断的に管理することが可能になり、より実態に沿った管理が期待できると思われます。
外国人技能実習生 介護職追加についてはEPAや「在留資格 介護」との兼ね合いなども新機構の調整能力が期待できるのではないでしょうか。