前回は、若年性の脳梗塞について最後にご紹介しました。
脳卒中と聞くと、ついつい高齢のかたの病気と思ってしまいがちですが、近年若い人にも多くなってきていますから注意が必要です。
みなさんは「隠れ脳梗塞」をご存知でしょうか?
脳卒中の中でも怖いのが、「隠れ脳梗塞」です。
老若男女問わず、なっている場合があります。
これはいったいどんなものなのでしょうか。
第六回目の今回は、隠れ脳梗塞についてみていきたいと思います。
【隠れ脳梗塞ってどんなもの?】
近頃、メディアでも話題になっていますので「隠れ脳梗塞」という名前を聞いたことがあるかたも多いと思いますが、これは正式な病名を「無症候性脳梗塞」といいます。
正式名からもわかるように、症状が何もないにもかかわらず、脳梗塞になっているということです。
ですから、何もない健康体だと思っていたのに、脳ドックなどの検査をとりあえずしておこうなんて思って病院に行ったときにみつかるのがこのタイプのものだといえそうです。
【なぜつまっているのに症状がないの?】
では、なぜ梗塞しているにもかかわらず症状がないのでしょうか。
いくつか理由があるのですが、主な理由として考えられることは、以前にご紹介した「ラクナ梗塞」などのように脳の奥のほうのかなり深い部分に、とても小さな梗塞がある場合です。
普通、何か症状が出るものですが、たまたま運が良いのか悪いのか、神経の症状をおこさない部位、俗にいう「サイレントゾーン」の梗塞だったということです。
症状がでていなければそれでいいのではないかと思われるかたもおられるかもしれませんが、そうではありません。
将来的に、急激に症状がでる脳出血や脳梗塞などの脳卒中が起こってしまう可能性が大変高い状態です。
もし検査で隠れ脳梗塞がみつかったとしたら、それはそれで将来の急激な症状を未然に防ぐことができると思えば大変ラッキーなことです。
隠れ脳梗塞がみつかってしまった場合には、生活習慣を改善し、薬を飲むなどして将来の脳卒中発症の予防に努めておくと良いでしょう。
いかがでしたでしょうか。
若いからといって油断はできませんし、症状がないからといって絶対に脳卒中になっていないとも限らないようですね。
油断ができません。特に日本のように蒸し暑い夏場には、汗がでることによって体内の水分が奪われて血液中がドロドロになりがちです。
脳梗塞などは寒い冬場のものと考えがちですが、暑い夏場にも注意が必要です。
心房細動は不整脈の一種なのですがこれが原因になることもあります。脈が乱れやすい人は要注意です。次回は、心房細動による脳梗塞についてみていきたいと思います。
(Photo by Ashinari http://www.ashinari.com/ )