現在、65歳以上の高齢者のうち、4人に1人が認知症だといわれています。
高齢者向けの認知症介護施設は、いろいろな名称があります。施設を選ぶ際は、それぞれの特徴を理解し、要介護者に適したサービスを受けられるかどうか念入りに検討しましょう。
今回は、様々な高齢者向け認知症介護施設を紹介します。
■介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)
生活介護が中心の施設。在宅生活が困難で要介護1以上の人が対象です。
介護に重点を置いた施設なので認知症ケアが限られており、待機者も多いため、認知症の在宅ケアを推進する厚生労働省の方針で、要介護4~5以上でないと入所が難しい状況です。
■介護老人保健施設(老健)
リハビリが中心の施設。要介護1以上で病状が安定している人が対象です。認知症専門棟を持つ施設もあります。3か月を目安に在宅復帰を目指す施設なので、入所期間の制限があります。
■介護療養型医療施設(老人性認知症疾患療養病棟)
医療が中心の施設。要介護1以上で病状が安定しており、常時医師の手当てを必要とし、徘徊など特に重度の認知症の人が対象です。数年後に廃止が決定しており、今後は「新型老健」と呼ばれる新しい介護施設へ転換する方向です。
■グループホーム(認知症対応型共同生活介護)
少人数の家庭的な雰囲気で日常生活の援助を受けながら認知症の進行をゆるやかにするための施設。在宅生活が困難な認知症の人が対象です。1ユニット(最大9人、施設全体の定員は2ユニット・最大18名まで)で共同生活をおこないます。要支援2または要介護1以上で、地域密着型サービス(介護保険法で定められた、要介護者が住み慣れた自宅や地域で生活を継続するための介護サービス)のため、同じ地域内に住民票がある人のみ入所できます。入所の際は、面談や診断書から入所基準を満たしているか審査があります。身の回りのことができなくなると退去しなければなりません。
■介護付き有料老人ホーム(特定施設入居者生活介護)
食事や入浴など、日常生活に必要なサービスを提供する施設。それぞれの施設によって入所基準が異なり、要介護1以上で入所できる施設や、要介護認定を受けていなくても入所できる施設もあります。認知症の専用フロアーを設けているところもあります。どの程度、認知症に対応しているのか施設によってばらつきがあるので、事前にじっくり調べることが大切です。
■ショートステイ(短期入所生活介護)
家族の都合で家庭での介護が一時的にできない場合、生活介護や機能訓練などをおこなう短期入所施設。認知症ケアに力を入れた施設は、重度の認知症でも受け入れています。グループホームに併設されたショートステイもあります。
■デイサービス(認知症対応型通所介護)
在宅要介護者で認知症の人が、特別養護老人ホームや養護老人ホーム、老人福祉センターや老人デイサービスセンターなどに日帰りで通って、生活介護と機能訓練が受けられる介護サービス。グループホーム同様、地域密着型サービスのため同じ地域内に住民票がある人のみ利用できます。
認知症の人が自分で施設を選ぶのは難しい場合が多いので、家族や身内など代理の人が、本人の状態や適切なケアが受けられるかどうかを考慮し、複数の施設を見学して実際に確かめてから選びましょう!
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