「外国人技能実習機構」とは?
外国人技能実習制度の適正な実施と技能実習生の保護を目的とした行政法人
「外国人技能実習機構」が2017年の1月25日に設立登記された。
2016年10月21日に提案された法案では、受け入れ先の企業や団体を監督する「外国人技能実習機構」を新設させることになった。
技能実習生の受け入れ先企業は、「外国人技能実習機構」に対して実習計画を示し、認定を受けることが求められることになる。
また、今までのJITCOでは不可能であった暴行や脅迫によって無理に働かせることや、パスポートを取り上げるといった人権侵害行為に対しては、連座制などの社会的な懲罰のレベルであったが、今回の法案では機構を通じて懲役刑や罰金刑などの罰則を盛り込むこととなった。
「外国人技能実習機構」の発足によって、いままでの罰則はあれど、強制力がなかった実習制度ですが見直しされ、大幅に改善されることになった。
「外国人技能実習機構」の役割
法案に従うと、「技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護に関する法律」に基づいて、技能実習計画の認定や技能実習生に対する相談・支援などを行うとなっている。
こうなると少し難しいのが従来のjitcoが行ってきた業務と役割は機構の出現によって見直しとなるわけですが、今度の法律ではいったいどこが行うのか?
また、今後の業務サポートはどうなるのか?とうことである。
行政法人である機構が、親切な業務サポートを行うことも考えにくいので、従来のまま残るのかも?という憶測もあるそうです。
業界を主導する機構が頂点にたち、法制度の視点からの強制力、監督権をもって指導をおこない監理の目を行き届かせていく。
従来のJITCOが、業界を支援、サポートするような形態が機構の役割だとわかりやすくてよいような気がします。
「外国人技能実習機構」による受け入れの拡大
「外国人技能実習制度」は日本の技術を伝える国際貢献を目的として、1993年に始まった。
主な対象国は、当時経済格差が100倍程度はなれていたアジアの発展途上国であった。
安倍政権は製造業などでの人手不足を補うために受け入れを推進してきた。
2012年外国人技能実習生は約15万人程度だったが、2016年6月末時点では過去最多の21万人に増加した状況となっている。
政府は、2025年までに100万人の外国人労働者の拡大を受け入れ目標として掲げているようだ。
そういう視点から見ても「外国人技能実習機構」の発足はそのための大きな布石であるといえよう。
異国から来た労働者を放置することは、日本社会に混乱を招く原因になることは明白である。
また、外国人労働者を雇い入れる企業の側を放置することも、同じく地域社会を混乱させる原因となるであろう。
双方の問題に対して強い監督権を有する強力な指導者としての存在が必要だったことは間違いのない事実である。
今後、政府は、機構を通じて拡大と罰則強化の引き締めというバランスをうまく保ちながら受け入れを拡大していくことになろであろう。
日本人だけでなく、日本で働くすべての人たちにも夢と希望が持てる社会になることが望まれています。
「外国人技能実習機構」がそのために大きな役割を果たしていただけるだろうと期待しています。
監理団体の申請手順について
機構への手続きは現在調査中です。
機構は、新設されたばかりですので、WEBも準備中です。
新制度の説明会が機構によって順次行われていくことになっています。
監理団体の新設、機構への申請認可については、今後の調査課題として取り組んでいきたいと思います。
機構がいままでのjitcoと同じ方法で、従来の方式を受け継ぐことが可能なのか?現在は不明です。
従来も設立から二年かかりますので、どうなることか?見守っていきましょう。