介護

継続して取り組もう!高齢者の骨折は早期リハビリが回復の鍵

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高齢になると様々な身体の変化が起こりますが、骨折しやすくなるのもその一つです。骨密度や骨質が変化して骨粗しょう症が原因で骨がもろくなってしまうのです。骨がもろいため骨折後の回復は遅く、早期にリハビリを始めることが重要です。今回は、寝たきりにつながるおそれのある下肢の骨折の中で特に多い大腿骨頚部骨折を例に、骨折のリハビリを紹介します。

  • 早期リハビリの必要性

大腿骨頚部骨折とは太ももの骨(大腿骨)の脚の付け根に近い部分の骨折です。横方向に転倒したり、しりもちをついたりしたときに起こります。骨折の状態によりますが、多くの場合手術をおこない入院します。手術後は痛みが強く、ベッド上で安静になります。安静状態で、固定された骨折部分の周りの筋肉を動かさないままでいると、筋肉の重量が落ちて衰えてしまいます。関節も固まってしまい、動きが悪くなります(関節の拘縮)。高齢者の場合、動けなくなると寝たきりにつながりやすくなり、それにともなって床ずれや肺炎、認知症を引き起こす可能性もあります。そこで、筋肉を増やしたり関節の動きを良くしたりするリハビリを早期からおこなう必要があります。

 

  • ギプスで固定中の間のリハビリ

ベッドの上にいるときから無理のない範囲で、骨折部分周辺の筋肉と関節を動かします。骨折部分がずれると変形治癒や骨壊死などの原因になるため、骨折部分に負荷がかからないように注意します。足首を回したり、足の指を縮めたり、広げたりします。

 

  • ギプスをはずした後のリハビリ

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腫れがひいて痛みもやわらいでくるので、本格的にリハビリを始めます。骨折前の日常生活に戻るために歩行訓練が必要です。まず、座位を保つ練習をおこない下肢の筋力を強化します。次に、立位で壁や椅子に手をつき、バランスを保ったまま、ふくらはぎなどを鍛えます。並行して、ベッド上で関節の動きを良くするリハビリをおこないます。関節の柔軟性が戻ってきたら、筋力訓練や平行棒を使った立ち上がりなどをおこないます。順次、歩行器や杖を使った歩行訓練もおこないます。医師や看護師、理学療法士の指導を受けながら、段階的に適切なリハビリを受けましょう。

 

  • 高齢者の骨折リハビリで利用できる施設やサービス
  • リハビリ病院

症状が落ち着いた回復期に、入院していた病院から転院してリハビリをおこなうリハビリ専門の病院です。医療保険を使える入院は最長180日です。

 

  • 老人保健施設(老健)

食事・排泄・入浴などの日常生活上の介助を受けながらリハビリに取り組むことができる入所施設です。在宅復帰を目指す人の施設なので3か月ごとに状態の審査やリハビリ内容の見直しがおこなわれます。

 

  • 通所リハビリ(デイケア)

日中、日帰りで施設に通い(送迎つき)、リハビリや食事・排泄・入浴などの日常生活上の介助を受けることができます。レクリエーションや他の利用者とのコミュニケーションの楽しみもあります。

 

  • 訪問リハビリ

外出が難しい人は、自宅へ理学療法士や作業療法士に来てもらい、リハビリを受けることができます。普段過ごしている場所でリハビリを受けると、生活動作への不安が少なくなります。

 

 

骨折を予防するために、家の段差を解消したり、つまずきにくい靴をはいたりするなど日常生活で注意を心がけましょう。骨折してしまった場合は、医師や理学療法士など専門家のリハビリプランをもとに、段階を踏んでコツコツとリハビリに取り組みましょう!

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