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休業補償で社員も企業も救われる。知らねば損する5つのポイント

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業務中や通勤途中にケガをしてしまったり、業務が原因で病気になってしまったりすることは起きてしまうものです。
その際に労働者の生活を守るうえで「」というものがあります。これは休んでいる労働者に企業が自身の責任でお給料を払い続けることは困難なことから、労働保険を財源にして労働者を守るものです。制度ゆえに手続きはきちんとしなければならず、請求する労働者も協力する企業も正しい知識が必要となります。

 

休業補償と休業手当の違い

 

休業補償・・・労働者が労働中に様々な要因によって負傷や病気などをしてしまい会社にいくことができない、労働することができないとなった場合、給付される補償金のこと。

休業手当・・・勤めている会社が不景気や業績不振などで労動者に仕事がない状態になってしまった場合に支払われるものです。

つまり、休業手当は「賃金」で休業補償は「補償金」です。

休業手当は賃金となるため、通常の賃金と同様に雇用保険料や社会保険料や源泉徴収などの対象になります。

一方、休業補償は受給のために必要な手続きや条件があるため、どうしたらいいかわからない人も多くハードルが高く感じるかもしれません。

また企業から見ても休業補償に該当する案件なのかどうか見極めるための最低限の知識が必要です。
休業補償が必要になった場合、どのような金額になるのか。また、どのような手続き、用意すべき書類があるのか。ご存知でしょうか?

従業員が少ないと休業補償はなかなか発生しにくいため、知らない方も多いのです。

ところが実際に休業補償が必要になった場合、怪我や病気で体の自由が利かないことが多いため、その時から調べていても遅いかもしれません。
今から休業補償のことについて知っておくと良いでしょう。

今回は休業補償を受け取りたい労働者、その対応をしなければならない企業の両方の観点からご紹介していこうと思います。

 

休業補償を受けるために必要な4つの条件

休業補償は会社から支払われるものというふうにお伝えしました。具体的にはどのような段取りを経て、休業補償が受けられるのでしょうか?休業補償は誰でも受けられるというわけではあります。様々な条件が課せられています。大きな条件としては4つあります。

1つ目は、労働者が業務中または通勤途中に負傷したり病気になってしまったという事実。

業務中か通勤途中であることが重要です。休日の草野球でじん帯を伸ばした・・・などはもちろん含まれません。
また、発生状況について労働基準監督署から朝長が入りますので、いいかげんやうそは絶対にいけません。

2つ目は、そのことにより労働することができないということ。

この労働することができないというのは全く労働ができないという状態でなければならないわけでもありません。

一時的に労働ができない場合でも労働不能というふうにみなされます。例えば通勤中に怪我をしてしまい指の骨や腕の骨を骨折したとします。これは完全な労働不能ではありませんが、手や指を使いこなければならない手作業の労働の場合、労働不能とみなされることもあります。

3つ目は、休業補償を受けている間は給料を受け取らないということ。

給料を受けている場合、休業補償はもらえません。休業補償とは仕事を休んでいる間の補償という意味なので仕事を休んで、かつ給料をもらうわけにはいかないという解釈です。
この点は企業を守っていると言えます。仕事に復帰できるようになっても会社が無くなっていたら困りますよね。

4つ目は、待機期間が3日間あるということ。

ケガや病気の発生から3日間は待機した事実がないといけません。この3日間は欠勤扱いとして給料が支払われません。つまり、3日間給料が支払われない欠勤状態が続いているかどうかが休業補償の条件になるのです。

休業補償をもらいたいと思っている労働者はこの4つの条件が満たされているかどうかをチェックしなければなりません。

また、企業は有給休暇扱いにしないことも重要です。

では実際に、休業補償が欲しいとなった場合、どのように手続きをしなければならないのでしょうか?

まず重要なのは、先ほどの4つの条件を満たしているかどうかということです。
該当していると判断したのであれば、

基本的には手続きは

労働者自身が自分で休業補償の請求をしなければなりません。

これは会社に頼むべきものと思っている人がいますが会社はあくまでも休業補償を受ける労働者のサポートをする立ち位置になります。

会社から支給されるわけではないので注意が必要です。休業補償を請求する場合、自分か家族が必要な書類を記入しなくてはなりません。

休業補償給付支給請求書か休業給付支給請求書のどちらかを労働基準監督署に提出する必要があります。きちんと労災保険をかけている企業であれば経理または経営者が休業補償給付支給請求書は準備している場合が多いです。

これらを書いて提出することになりますが、短期の休業だった場合は休業していた日数全てを一括して請求するか、何回かに分けて請求するかは自分で選ぶことができます。
休業補償が長期にわたる場合は基本的には1ヶ月に1回請求されます。

休業補償給付支申請書には災害がなぜ起きてしまったのか、つまりなぜ自分が怪我をしてしたのか、病気をしてしまったのかという状況を詳しく書かなければなりません。

当時の状況がきちんとわかるように覚えておかなければ申請がおりない場合もあります。何をどうして、このような怪我をしてしまったという当時の状況は最低でも説明できるようにしておかなければなりません。

申請書を労働基準監督署に提出する場合に、添付書類として賃金台帳と出勤簿が求められます。これらは自分で用意することができないため会社に準備してもらう必要があります。会社に頼んで自分の賃金台帳と出勤簿を用意してもらいましょう。

これが必要なのは初回の場合です。以前一度でも休業補償を受けたことがある人はこれらを準備する必要はありません。また、障害厚生年金や障害基礎年金の支給を受けている場合は支給を証明する書類を準備しなくてはなりません。

休業補償が認められないケース

休業補償が認められないケースはどういう場合でしょうか?

当然ですが、先ほどご紹介した4つの要件を満たしていない場合、認められることはありません。

労働基準監督署は休業補償の申請書をもらった後に詳しい調査を行います。本当に給付すべき条件にあった用件なのかどうかのチェックをするのです。また提出書類で必要な賃金台帳や出勤簿がなければそもそも働いていたという事実確認ができないため給付がおりてこない場合があります。

他にも認められないケースで多いのは通勤中の交通事故の件に関するあるケースです。

 

通勤中の交通事故で休業補償がもらえないというのはどのようなことなのでしょうか?

それは休日出勤の時の事故です。会社が許可していない休日出勤の際に事故を起こしてしまった場合です。

会社が認めていない休日出勤は労働をしている最中の事故ではないと認識され、プライベートの時の事故だとみなされてしまいます。

もちろん会社が定めた休日出勤であれば休業補償は受けられます。みんなが休みでもあるにもかかわらず、勝手に出勤してしまった場合などは受けられないケースもありますので注意が必要です。

万が一の時にきちんと休業補償を受けるためには、会社が定めた労働すべき日の中で通勤中に怪我をしてしまったり労働中に怪我をしてしまったり、または病気なってしまい、休業中に給料をもらうことなしに3日間の自宅待機をしっかりと行う必要があります。

これらが満たされているのであれば労働基準監督署からの許可がもらえると思って間違いないでしょう。

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休業補償を受け取れる金額の算出式

実際に休業補償をもらう場合、どれくらいもらうことができるのでしょうか?

休業補償は計算方法がしっかりと決まっています。

支払われるべき賃金(平均賃金)の80%

休業前のもともと支払われるべき給料の基本金額を日割りにした分の80%がもらえます。

またはもともともらうべき給料の日割りの60%に休業特別支給金である20%が加算されたものが支払われます。

どちらにしても金額は同じになるため覚え方としては、元々もらうべきだった給料の80%がもらえると考えて良いでしょう。

例えば月に20万円の給料をもらっていたA さんが通勤途中に事故を起こしてしまい労働することが3か月出来なくなってしまった場合、具体的にいくらの休業補償をもらうことができるのでしょうか?

もともともらうべきだった給料の日額とは基本的には労働基準法で定められた平均賃金という解釈をされます。

この平均賃金とは基本的には事故が発生してしまった日の直近3ヶ月間にA さんに対して支払われた金額の総額をその期間の日数で割った1日当たりの賃金額のことです。

A さんは月に20万円もらっていました。

3ヶ月間交通事故で動けなくなってしまった場合の計算額は

20万円×3ヶ月÷90日となり

1日につき約6500円が計算根拠になります。

この6500円が1日に支払われるべきもともとの給料の金額になり、この金額の80%がA さんのもとに振り込まれます。

つまり約5200円がA さんが支給される休業補償の金額になるのです。

先ほどご紹介した60%+休業特別支給金の計算方法でも全く同じ計算結果になります。

ちなみに計算をして1円未満の端数がある場合は1円に切り上げられます。

企業が知っておくべき休業補償のポイント

  • 休業補償の財源は「労働保険」だということ
  • 出勤簿と賃金台帳はきちんと用意しておくこと
  • 休日出勤は必ず申請を出させること

休業補償は毎月支払っている労災保険から出るものなので、基本的には会社が何かお金を出さなければならないというわけではありません。

休業補償をするかどうかも労働者の基本的には任意です。特にしたくないという人がいるのであればする必要はないでしょう。

しかし、その人が会社に勤めることができないことも事実です。

会社で働いていないのに関わらず給料払うというわけにもいかないでしょう。

その場合は、会社の方から休業補償を受けた方がいいと勧める場合もあればもあるかもしれません。

休業補償をするのであれば、労働基準監督署に必要書類を労働者が提出する必要があります。それらの書類を準備してあげることが重要です。

労働基準監督署に提出する書類を提出すると、労働基準監督署は、その人が本当にその会社で働いていたかどうかの事実確認を行ってきます。

その事実確認のために必要なのが出勤簿や賃金台帳なのです。賃金台帳や出勤簿が用意されていなければその人はその会社できちんと働いていたという事ことがみなされません。

つまり、働いていないとみなされ休業補償の対象外になってしまうことがあります。

小さな会社だとついつい労働者の出勤簿や賃金台帳をつけないという会社もあるでしょう。

しかし、いざ労働者が怪我や病気になってしまい、休業補償を受けるとなった時にこれら2つが準備していなければ労働者は大きな被害をこうむってしまいます。

実際に裁判沙汰までになって大きなトラブルとなってしまったケースもあります。労働基準監督署の審査にきちんと対応できるように賃金台帳や出勤簿は必ず準備しておくようにしましょう。

特に賃金台帳は重要です。

出勤簿にいたっては後で準備することができますが、賃金台帳は後で準備してしまった場合、労働基準監督署は非常に怪しんできます。

毎月毎月しっかりと準備するようにしましょう。

もし仮に、

これら2つを準備してない状態で労働基準監督署の審査が入ってしまった場合どうすればいいのでしょうか?

そういった場合は労働基準監督署に正直に伝えることです。労働の実態はあり、給与も払っているけども賃金台帳と出勤簿を準備していなかったと正直に伝えるのです。そうすると労働基準監督署の方から代替案を提示されます。

例えば給料を支払ったかどうかのチェックするため、会社の口座の確認やタイムカードを見せてといわれることも。または、今から作っても構わないと言ってくる場合もあるでしょう。

労働者と大きなトラブルにならないように、休業補償の準備のための賃金台帳と出勤簿はきちんと準備しておきましょう。

大切な社員やその家族と揉めてしまっては社会のために頑張ってきた経営者やその会社の従業員全員に申し訳ないですね。
正しい職場環境の整備を怠らないことが、社員の生産性を上げ、万が一に備えることになるのではないでしょうか。

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