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労災保険料率の計算方法を3つの計算例でどこよりも優しく解説

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労災の現状

従業員が業務災害にあった場合、本来は事業主が従業員に補償しなければならないことが、労働基準法に定めています。しかし、医療費を補償する療養補償給付などは高額な支払いになる可能性もあり、業務災害が起きると事業主の負担が重くなる可能性もあります。

 

そのための公的な損害保険として、政府の運営する労働者災害補償保険(労災保険)があり、労働者を雇った事業主は加入する義務があります。

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業務災害が起きた場合国に報告しない「労災かくし」が問題になることがあります。労災保険に加入し、適切に労働者への給付手続きに協力することは事業主のためでもあります。

 

なお事業主や役員は原則として労災給付の対象外ですが、これらの人達にも加入できる特別加入の制度があります。労働者を雇う(一定規模以下の)中小事業主の特別加入を第1種、建設業等一定業種の自営業者などの特別加入を第2種、海外派遣労働者の特別加入を第3種としています。

 

労災保険料とは?

政府の運営する労災保険に対する保険料が労災保険料になりますが、この保険料の払い方には特色があります。

 

労働者が業務災害にあった場合は労働者本人に対して給付を行いますが、労働者自身の負担は全くありません。労基法上事業主に課した補償の義務を果たしてもらうために、事業主が加入するものだからです。この点は、労働者自身の負担もある雇用保険や社会保険とは異なるところです。

 

また毎月払うものでなく、年1回もしくは年3回で払います。また建設業など一部の業種を除くと、労災保険料と雇用保険料を合算して支払います(労災保険と雇用保険はあわせて労働保険といいます)。年1回・年3回のどちらになるかは、労働保険料の金額によります。毎月払が原則の社会保険料や生命保険料とはこの点も異なります。

 

建設業などは、労災保険と雇用保険の計算は別々に行います。以下、雇用保険料の計算は考えず、労災保険料に絞って解説します。

 

なお、現在は労災保険料を支払う際には、一般拠出金もいっしょに支払います。一般拠出金はアスベスト被害にあった労働者の救済にあてるためです。

 

労災保険料の計算方法

労災保険料の算式は、数式で見る分には単純です。原則的な計算であれば、労働者全員の賃金総額× になります。労災保険料率は労災保険本体の料率と一般拠出金率から成ります。

 

この賃金には、所得税計算上非課税になる通勤手当も含めます。労災保険本体の保険料率は、業種ごとに異なっており、建設業や製造業のような危険な作業を伴う業種は高めに設定されています。一般拠出金率は、業種を問わず平成28年度は1000分の0.02です。

 

「労働者全員の賃金総額」には例外的な計算法も定めており、例えば請負による建設の事業においては、請負金額(消費税抜)×労務費率を賃金総額とします。労務費率は道路新設事業・舗装工事業など事業の種類に応じて定められています。

 

また、特別加入した場合の保険料は、給付基礎日額×365日×特別加入保険料率となっており、給付基礎日額は特別加入の開始時に決めます。

 

実務上の労災保険料計算は複雑です。例えば平成27年4月1日に会社設立と同時に労働者を雇ったとすれば、平成27年4月1日~平成28年3月31日(平成27年度)の賃金総額見込み×労災保険料率(本体部分)として概算保険料を計算し、この額を納付します。

 

その後平成28年7月11日(例年の期限は7月10日ですが日曜のため明けの月曜日)までに、平成27年度の賃金総額実績×労災保険料率(本体部分)として確定保険料を計算し、平成27年度概算保険料との差額を計算します。

 

またこの段階で実務上は平成27年度の確定保険料と同額で、平成28年度概算保険料を算出します。一般拠出金は、平成27年度の賃金総額実績×一般拠出金率(1000分の0.02)で計算されます。

 

平成27年度の確定保険料と概算保険料の差額、平成28年度概算保険料、平成27年度一般拠出金を合計して平成27年度の納付額が求まります。平成28年7月11日までに年1回であれば全額、年3回であれば1回目を支払います。3回払いの場合は2回目を10月末までに、3回目を翌1月末までに納めます。これを毎年繰り返すことになります。

 

以下、3つのケースを考えて計算例を示しましょう。

 

労災保険料の計算例①

下記のようなケースで計算しましょう。

 

  • 業種:建設業(その他の建設事業)→労災保険料率:1,000分の17
  • 労働者全員の賃金総額:

平成27年度(平成27年4月1日~平成28年3月31日)で1,000万円

  • 平成27年度の概算保険料:16万円

 

保険料の計算は以下のようになります。

 

○平成27年度確定保険料及び平成28年度概算保険料:1,000万円×1,000分の17=17万円

○平成27年度の確定保険料と概算保険料の差額:17万円-16万円=1万円

○一般拠出金:1,000万円×1,000分の0.02=200円

 

よって平成27年度の納付額は、1万円+17万円+200円=180,200円となります。概算保険料が20万円未満のため、平成28年7月11日までに全額納めます。

 

労災保険料の計算例②

請負による建設の事業において特例計算する場合の(請負金額×労務費率を賃金総額とした場合の)計算例を示しましょう。

 

  • 業種:建設業(その他の建設事業)→労務費率:24%
  • 平成27年度の請負金額:1億円(消費税抜)
  • 平成27年度の概算保険料:30万円

 

保険料の計算は以下のようになります。

 

○平成27年度確定保険料及び平成28年度概算保険料:

1億円×24%×1,000分の17=408,000円

○平成27年度の確定保険料と概算保険料の差額:408,000円-30万円=108,000円

○一般拠出金:1億円×24%×1,000分の0.02=480円

 

よって平成27年度の納付額は108,000円+408,000円+480円=516,480円となります。概算保険料が20万円以上の場合は、3回に分割して払うことになり、1回あたり172,160円支払います。

 

労災保険料の計算例③

  • に加えて、代表者1名の第1種特別加入者がいる場合の保険料の計算例を示しましょう。

 

  • 特別加入者の給付基礎日額:20,000円
  • 平成27年度の概算保険料:30万円

これ以外の条件は①と同じとします。保険料の計算は以下のようになります。

 

○特別加入者の労災保険料:20,000円×365日×1,000分の17=124,100円

○平成27年度確定保険料及び平成28年度概算保険料:17万円+124,100円=294,100円

○平成27年度の確定保険料と概算保険料の差額:294,100円-30万円=△6,900円

○一般拠出金:200円+20,000円×365日×1,000分の0.02=346円

 

確定保険料と概算保険料の差額がマイナスになった場合、翌年度の概算保険料に充当できます。

 

よって平成27年度の納付額は、294,100円-6,900円+346円=287,546円になります。3回に分けて払いますが、3で割って端数が出る場合は、2回目=3回目は1円未満切り捨てた金額とし、1回目を1~2円足して多くします。1回目が95,850円、2回目・3回目は95,848円となります。

 

ちなみに賃金集計の際には千円未満、保険料算出の際には1円未満切り捨てとなります。

 

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